神様はこの世界をGitで管理しているのかもしれない

神様はこの世界をGitで管理しているのかもしれない。先日、ふとそんなことを考えました。

私たち人間や、意思を持つ全ての動物たちは、日々何かしらの判断を繰り返しています。駅まで急いでいるから赤信号を無視してダッシュで渡ってもいいかな、いや流石に信号無視は良くないから待とう、こうやって何かを判断し、それに基づいた行動を取っています。では選択肢として選ばれなかったほうの自分はどうなっているでしょうか。

パラレルワールドという考え方があります。何かを判断し行動を起こすことで、行動を起こさなかったもしくは他の選択肢としてあった別の行動を起こした自分は別の並行する世界で生き続けているのかもしれません。この考え方も好きですし、実際のところ自分はそういうことを考えながら生きているので優柔不断になってしまいます。自動販売機の前に立って紅茶とコーラを迷って紅茶を買ったとき、コーラを買っていたほうの自分はその後どのように過ごすだろうか、紅茶を買ってコーラを買わなかったことで後悔はしていないだろうか、そういうことを考えていると自販機の前で何分も経過しているのです。

しかし、この世界をコントロールしている神様の存在を考えたとき、その考えは少しだけ変化しました。我々が意思を持って考え判断し行動することについて、神様はGitで管理しているのです。私たちはある行動を起こすとき、考えうる選択肢についてそれぞれブランチを切り、その先どのようになっていくかを想像し、masterブランチへマージするためのプルリクエストを作成しているのです。ではそれをレビューしているのは誰でしょうか。そう、それが神様なのです。

つまり、我々が普段無意識に、または意識的に迷いに迷った挙げ句にした選択は、実は自分が考えうる選択肢について出されたプルリクエストを神様がレビューし、最も世界にとって有効または無害であるような妥当な選択肢を1つ採用しており、我々はそれがマージされたmasterブランチの世界で生きているのです。

このシステムの問題点は、世界80億近くの人類全て、いや全ての意思を持つ動物を含め、その判断が起こるたびに複数のブランチとそのプルリクエストが発生し、それをレビューするのが神様ただ1人だということです。神は1人じゃないという考えもありますが、「神様」という概念的に1つのものだと考えると、膨大な数のプルリクエストを生物ごとに1つずつマージしていく、ということを神様1人でしなければならないのです。もしかしたら複数の意思がぶつかり合いコンフリクトを起こしているかもしれません。世界を上手く回すために、神様はものすごい数のプルリクエストをレビューし、「正しい」ものを選択しているのです。こうなってくると神様の負担は想像を絶します。ときには誤った判断もしてしまうでしょう。このようにして「正しくない」外道な選択をしてしまった人が犯罪者になったり、事故の被害者になってしまったりするのです。

人が人としての道を踏み外さないでいられるのは、そしてこの世であり得ないことが起こらないようになっているのは、神様のおかげなのです。誤った判断をしてしまったときは、神様が選択を誤ってしまったということなのです。

寝ている間、夢の中で奇妙な現象が起きたり、現実に近いが実際は起こっていないはずのことを見たりすることがあるでしょう。夢というのは実は、あなたが今までしてきたありとあらゆる選択のなかで違った選択をしたあなたが生きる別世界、すなわちmasterブランチにマージされなかったブランチの様子を見ているのです。

神様の負担を減らし、自分を人としての道から外させないようにするためにも、1つ1つがしっかりした根拠のある選択肢だけを思いつき、どれを選んでも正しい道を進めるような、そんな頭の良い人間になっていきたいですね。

注意

  • なんか宗教的な感じになってしまいましたが、全くそのような意図は無く、ただ優柔不断な自分と仕事でGitを使っている自分を重ねて考えたときに思いついた物語です。
  • プルリクエスト自体はGitではなくGitHubから始まったGitホスティングサービス側の機能であるということも理解していますが、細かいことは気にしないでください。

それではまた。

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