【F1日本GP】チケット販売直後の仮想待合室でまたトラブル【改善に期待】

10月13日、2026年のF1日本GPのチケットが発売されました。アクセス集中による混乱を避けるため2023年から導入された仮想待合室システムですが、昨年に続き今年も少しトラブルがありました。私は運よく早めに購入できましたが、F1ファンの間に不要なモヤモヤを生んでしまうため、システムの改善に期待です・・・。

2023年に仮想待合室が初導入

2023年のF1日本GPは、2022年が3年ぶりの開催で、レッドブル・ホンダや角田裕毅の活躍があり、集客のさらなる増加が見込まれました。そのためか、チケット発売日の数日前に仮想待合室システムの導入が告知されました。

以前のMobility Station(チケット販売サイト)は、発売後にアクセスしてもアクセス集中で繋がらないか、繋がってもすぐログアウト扱いになって何度も再ログインさせられる状況でした。満足に操作できずチケット購入まで非常にストレスが溜まり、何度もログアウトされるため休みなくアクセスが集中するという悪循環でした。そこで急遽導入されたのが、仮想待合室システムです。サイトに来たユーザーを一旦待合室で順番待ちさせることで、チケット選択画面へのアクセス数を一定以下に制限し、チケット販売システム自体のエラーを防ぐというものです。

【F1日本GP】初の仮想待合室システムで分かったこと【チケット争奪戦】 - パン工房
こんにちは。本日5月14日に鈴鹿サーキット公式のオンラインショップ「モビリティステーション(MOBILITY STATION)」で2023年のF1日本GPのチケット販売が開始されました。昨年はチケット争奪戦が勃発し、繋がっては追い出されリロードし・・・を繰り返す状況になっていました。今年はその対策として「仮想待合室」というシステムの導入が急遽発表され、比較的スムーズに販売が進んだようです。仮想待合室システムとは何だったのか、どういうことが分かったのかを見ていきます。2023/12/10追記2024年の日本GPチケットの発売を前に、チケット販売サイトがリニューアルされました。仮想待合室のシステムも変更されているため、2024年日本GP時点での情報は以下の記事をご覧ください。
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2023年は「Queue-it」という海外のサービスが使われていました。事前にアクセスした人に対し整理番号が割り当てられ、整理番号順に販売サイトにアクセスできるという仕組みです。

2024年以降は富士通のシステムに

2024年開催分のチケット発売時も仮想待合室システムが利用されましたが、チケット販売サイト自体のリニューアルがあり、富士通の「Ticket Revolutionチケレボ)」というシステムに移行されました。これはプロ野球チームのチケット販売に利用されている実績があり、国内サービスということで鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎに合わせたカスタマイズもしやすいなどのメリットがあると思われます。仮想待合室もこのチケレボの機能として提供されているようです。

【F1】Mobility Stationチケット販売システムの変更点【注意点も】 - パン工房
こんにちは。今日12月10日、2024年F1日本GPのチケットが発売されました。公式オンラインショップであるMobility Stationは2023年の日本GP終了後にリニューアルされ、日本GP開催では2024年チケット販売がリニューアル後初のチケット販売となりました。2023年までのMobility Stationとどんな点が変わったのかまとめました。
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これ以前はアクセス負荷を下げるためか、発売開始直後は座席が自動選択となり、自由に選ぶことができませんでした。チケレボになってからは、最初からマップ上で自由に選択が可能で、より便利になりました。一方で、Queue-Itにあった整理番号の表示は無くなったため、並んでいる人数は見えない形となりました。

2025年、一斉並び直し事件

2025年開催分のチケットも同様のシステムで販売されましたが、事件がありました。発売30分前から仮想待合室がオープンし、発売までにアクセスした人は発売時刻に行われる抽選で並び順が決まり、発売時刻以降にアクセスした人は、発売までにアクセスした人の後ろに順番に並んでいく仕組みです。しかし、発売前に並び、数十分程度の予想残り時間が表示されていた大量の人たちが、リロードも何もしていないにもかかわらず、一斉に待ち時間90分以上という表示に切り替わったのです。逆に、90分以上と表示されていたのに、すぐにアクセスできた人もいました。X(旧Twitter)は大荒れでした。販売のやり直しを求める声もあったほどです。ちなみに私も巻き込まれた1人です。希望していた座席は確保できませんでした。

11時10分過ぎに順番のシャッフルがありましたが、鈴鹿サーキット側の声明は「システムによる抽選で決まった順番とは異なる待ち時間が表示される不具合」とのことでした。リプライ欄を見るとわかりますが、先着販売においては致命的な不具合でかなりの怒りの声が集まっています。

その後改めて鈴鹿サーキット公式サイトで発表された声明は以下です(現在はページが削除されています)。

2024年10月13日(日)より開始した「2025 F1日本グランプリ」のチケット販売にあたり、弊社チケットシステム「MobilityStation」で使用した「仮想待合室」の運用で発生した不具合により、多くのお客様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

今回の不具合に関して調査を行ってまいりましたが、現在までに判明した内容を、本システムの開発会社の報告をもとに、下記の通りお知らせいたします。

発生事象と原因について
(事象1)
システムの不具合により「抽選結果データ作成処理」が完了する前に「初回アクセス許可処理」が開始し、販売開始時刻前に仮想待合室へアクセスし抽選対象となっていたお客様より先に、販売開始時刻以降にアクセスしたお客様のうち443名が販売サイトへアクセス可能となりました。
(事象2)
上記(事象1)の不具合を受け、販売開始から13分間、抽選処理で割当てられた想定待ち時間とは異なった待ち時間が表示され、その後、抽選処理で割当てられた想定待ち時間の表示に切り替わりました。
※この不具合により、本来の想定待ち時間が「90分以上」であるにもかかわらず当初短い待ち時間が表示された後に「90分以上」と表示される、または、本来の想定待ち時間が短いにもかかわらず当初「90分以上」と表示された後に短い待ち時間となる、といった事象が発生しました。

今回の不具合により、多くのお客様にご迷惑をおかけしましたことを重く受け止め、今後、同様の事態が発生しないよう、システム開発会社とともに再発防止に努めてまいります。

この報告を見ると、443名に不具合があったようにも読めますが、443名の「初回アクセス許可処理」がおかしかったことで影響を受けた人数は書かれていません。実際にはどうだったのか、真相は闇の中です。

2026年もエラー発生

そして今日、2026年開催分のチケットが発売されました。昨年酷い目に遭ったためモヤモヤ、ざわざわした気持ちで当日を迎えましたが、順番シャッフルのようなことが起きないことを祈りながら10時半に仮想待合室に入りました。

そして11時を迎え、抽選画面に移った直後、真っ白なエラー画面が表示されます。同じ状況になっている方のポストです。

発売時刻を迎えた後の自動リロードで、503 Service Unavailableエラー(過負荷などによりサービスが機能していない状態)の画面に切り替わりました。仮想待合室はリロードせず待機する必要がありますが、これは仮想待合室というより完全にサーバーの過負荷エラーです。仕方なくリロードすると以下の画面に・・・。

「11:00以降にアクセスされた方は上記の抽選後の順番決定となります」という表示を見たとき、11時以降にリロードしたからまた今年も並び直しか・・・とがっくり来ました。しかし、そこから数分後に表示された待ち時間は、昨年のような最大の「90分以上」ではありませんでした。Xを見るとサーバーエラーで弾き出された人でも私と同様にそれなりの待ち時間になっている人もおり、11時以降アクセスの扱いにはならずに済んだようです。恐らくセッション単位での順番割り当てのため、エラー画面になってもブラウザを閉じたりしなければ抽選済みの順番が生きていたのだと思われます。

システムやサーバーの改善に期待

今年はエラー画面が出てしまっただけで表示の不具合や並び直しは起きていなかったと思われますが、ただでさえ待ち時間が長いと希望の席が取れず気分が落ちてしまうのに、エラー画面は精神衛生上かなり良くないです。これだけのアクセス集中は年に一度だけでしょうから対策も難しいのだと思いますが、F1ファンの間に不要なモヤモヤや嫉妬を生まないよう、なんとか改善してほしいところです。もしくは、当日の直前ではなく事前申し込み制にして、30分ごとの枠を事前に抽選で割り当てるというのはどうでしょうか。チケットの特性上完全な抽選販売には向いていないですが、販売順の抽選は事前にやってもいいのではと思います。


というわけで今回は、F1日本GPのチケット販売サイト「Mobility Station」の仮想待合室システムでのトラブルと、改善への期待についてでした。私は2026年の日本GPは初めて西エリアで見ることにしました。長時間の山登りに今から備えていきたいところです。

それではまた。