【F1】Mobility Stationチケット販売システムの変更点【注意点も】

こんにちは。

今日12月10日、2024年F1日本GPのチケットが発売されました。公式オンラインショップであるMobility Stationは2023年の日本GP終了後にリニューアルされ、日本GP開催では2024年チケット販売がリニューアル後初のチケット販売となりました。2023年までのMobility Stationとどんな点が変わったのかまとめました。

チケット販売システムの変更

まず、チケット販売システムそのものが変更されました。リニューアルされたチケット販売サイトは恐らく富士通が開発する「Ticket Revolution(チケレボ)」が使われていると思われます(リニューアル後に提供される機能や画面デザインが似ていることからの推測であり、公式発表や明記があったわけではありません)。このシステムはプロ野球の北海道日本ハムファイターズや埼玉西武ライオンズの試合のチケット販売にも使われているようです。

チケット販売に関する事業者側・購入者側双方の課題を解決できるデジタルチケットのプラットフォームということで、2024年からの電子チケット化に合わせたシステム導入と思われます。これによりUIが大きく刷新され会員登録も再度必要になりましたが、発売直後からの座席選択やリセールが可能になり、ファンにとってもプラスな変更であると思います。プロ野球は試合数が多く球場によって席種も様々なため、そこで使われている配席やリセールのシステムということで完成度も高いのではないかと思います。ちなみにグッズ販売サイトについては明日リニューアルオープンということですが、こちらも別の新しいシステムが採用されていると予想されます。

昨年は初めて仮想待合室システムが導入され、繋がらない、繋がってもすぐログアウトさせられるといった例年のチケット争奪戦の様子が大きく変わりました。その様子については以下の記事で書いています。

昨年は仮想待合室のみ別のサービスが使われていましたが、今年は恐らく仮想待合室のシステムも同じTicket Revolutionが使われていると思われます。これによりスムーズな操作が可能でした。

全席種同時発売

負荷に強いシステムが導入されたからか、ローチケでの販売が無くなったからか、詳しい事情は分かりませんが、今年は全席種が同時発売となりました(発売日の異なる金曜日券を除く)。昨年まではグランドスタンドなど一部の席のみが先に発売され、仮想待合室も別で用意されましたが、今年は全ての人が同じタイミングで好きなチケットを購入できるようになりました。

発売時から座席選択可能

昨年までは発売後数時間は自動配席となり、座席を選択することができませんでした。恐らくアクセス集中による混乱を防ぐためと思われますが、座席選択が可能になる頃には人気の席は埋まってしまうため、座席の位置はある程度妥協するか希望のブロックが選択されるまで何度も選び直す作業が必要でした。

今年は新システムの導入により、座席を購入者自身で選択することが前提のシステムとなったため、発売時から座席選択が可能となりました。人気の席はどんどん埋まっていってしまいますが、複数人分のチケットを購入したり座席位置に強いこだわりがあったりする人にとってはありがたい変更かなと思います。

仮想待合室の整理番号は消滅

昨年の仮想待合室システムでは、割り当てられた整理番号を見てある程度自分より前で待機している人数が予測できました。今年は待ち時間の目安を見ることはできたものの整理番号は無く、昨年のようにどのくらいの人が発売時に殺到していたかの予測はできませんでした。

新システムの画面

私も今日チケットを購入しましたが、その際に各画面のスクリーンショットを残しておいたので紹介します。

仮想待合室

仮想待合室もチケット販売サイトと同じデザインの画面でした。恐らくチケット販売システムの一部なのだと思います。

仮想待合室の待機中画面
発売開始までは残り時間が表示される

発売開始30分前から仮想待合室がオープンし、アクセスするとこのような画面になりました。画面は数十秒に1回自動更新され、残り時間が減っていきます。説明に書いてありますが、ブラウザのCookieを使っているとのことで、同じアカウントでも複数端末を用いれば複数回待機順の抽選を受けられそうです。ここは完全に公平にするのであればアカウントごとの抽選にしてもいいのかもしれませんね。

発売開始時刻を迎えた直後の画面
発売開始時刻になってもすぐは案内は始まらない

発売開始時刻の11時を迎えた直後の画面です。すぐに待ち時間が出るのではなく、最初は「このままお待ちください」という表示でした。このタイミングで待機順の抽選を行っているのかもしれません。

仮想待合室の待機中画面
抽選が終わるとアクセスできる予定時刻と待ち時間が表示される

1分ほどして、サイトにアクセスできる予定時刻と待ち時間が表示されました。私は約30分待ちということになりました。X(旧Twitter)を見ていると1桁台の人もいれば80分待ちのような人もいたので、超人気席や駐車場を狙っているわけではない中ではそれなりに良い順番だったのではと思います。この画面も自動更新で、待ち時間目安も予定時刻に合わせて減っていきます。

仮想待合室で順番が来たときの画面
順番が来るとサイトへ移動するボタンが表示される

一番最初に表示された予定時刻通りの11時31分に、アクセス可能の表示が出ました。ここから30分以内に購入が終わらないと再度並び直しとなってしまうので、待ち時間が長くてもあまり目を離さないほうがいいと思います。私は予定時刻通りでしたが、後ろの順番になるほど待ち時間が短くなることも予想されるのと、30分以内にサイトに移動すればいいのではなく30分以内に購入が完了している必要があるということで、10分単位で見逃していると並び直しのリスクがかなり高くなります。

座席選択画面

ここからは、仮想待合室からチケット販売サイトへ移動した後の座席選択画面の紹介です。

チケット販売サイトの座席選択画面
サーキットの地図上で座席を選択できる

座席選択画面は、サーキットの地図がメインになっています。地図上の座席がそのまま選択できるようになっており、座席がどんな位置にあるか視覚的に分かるようになっています。ブロックごとに色の濃さで空席状況も確認できるようになっており、見える範囲の広い人気の上段席から埋まっていっていることが分かりますね。

座席選択画面で拡大した様子
ズームしていくと各座席の空席状況が見れるようになる

サーキットの地図はよくある地図アプリと同じように拡大・縮小が可能になっており、最大限ズームすると各座席の空席状況が確認できるようになります。この状態で座席を選択することでその席のチケットがカートに入り、20分間は他の人が選択できなくなります(=取り置き)。座席選択時にはその席からの眺めの目安写真を見ることができました。

B2席は発売後30分時点でほぼ埋まっていた
発売約30分後のB2席の様子

1コーナーの飛び込みからS字までを見渡すことができる人気のB2席は、発売後30分程度でこの状態でした。人気の席を狙っている人は運を味方にしないとかなり厳しいかもしれません。

購入手続き画面

座席を選択してチケットがカートに入れば、後は購入手続きをするだけです。

購入手続き画面
複数の座席を選んでおいてからここで削除することもできる

購入手続き画面はいわゆるカート画面で、選択してあるチケットの購入に進むことができます。この時点では座席が取り置きされているだけで削除はできるため、何個かある候補からじっくり選びたい場合は先に候補となる座席を選択しておくのがいいでしょう。駐車券の追加もここでできるようです。

クレジットカードの情報を予め登録しておけば、あとは1クリックで購入できます。クレジットカードによっては認証を挟むようなので、カートの20分制限、仮想待合室の30分制限には余裕を持って購入に進んだほうがいいと思います。Xを見ていると楽天カードでの購入が弾かれている人が多そうでした。カードの相性もありそうなのでいくつか用意しておくといいかもしれません。

注意点

新システムを使っていていくつか注意点があるなと感じたので、書いていきます。

価格のお気に入り設定で空席表示が変わる

新システムにはアカウント設定で「お気に入り」というものがあり、お気に入りのチケット価格の範囲を登録できます。私は会員登録時に様々な画面をチェックしており、ここの設定もなんとなくの価格で登録していました。今回いざ座席選択画面に入ったときこの設定した価格範囲が選択された状態になっており、範囲外の価格のチケットは選択できない表示になっていました。予め購入予定のチケット価格を把握していれば問題ありませんが、売り切れが続出しているという思わぬ勘違いを生んでしまいそうなのでお気に入り設定はオフにしておいたほうがよさそうです。

ズームが極端で使いにくい

ブロックごとの空席状況が見れるズームレベルと、さらにズームして各座席の空席状況が見れるズームレベルの差がかなりあり、その間のズームレベルが欲しいと感じました。スマホから使われることを想定しているのだと思いますが、せっかくパソコンの広い画面で見ても地図エリアが小さく、ズームレベルを上げていくとコースとの位置関係が見にくくなっています。流石に発売日に購入する人がどの座席にするか全く目星も付けずにこの画面に来ることは無いとは思いますが、ある程度座席についての情報を予め持っておかないと選択しにくいと感じました。

コース図の向きでしか選択できない

地図は回転することができないため、鈴鹿サーキット公式サイトの座席表を見てブロックや何列目かを決めていると、いざ座席を選択しようとしたときに向きが違っていて迷います。発売開始時から座席選択可能ということで人気のエリアはスピード勝負になるため、事前に鈴鹿サーキットで行われるイベントの座席選択画面で練習しておくといいと思います。

電子チケットのQRコードは公開しないように

チケットを購入できた喜びから、購入完了画面や電子チケット画面のスクリーンショットをXに投稿している人が多く見られました。隠すべきところを隠していれば問題ないと思いますが、座席番号が見えていればXアカウントと本人を結びつけられてしまいますし、QRコードが見えていると入場時のなりすましが可能になってしまいます。

今回から電子チケットが導入されていますが、セブンイレブンでの発券や印刷して紙での入場も可能というところから推測するに、QRコードはチケット1枚につき1コードなのだと思います。となると、例えば他人のチケット画面のスクリーンショットを印刷して仮に入場時のチケット確認を突破できてしまえば、先に入場したもの勝ちとなって本来のチケット所有者が入場できなくなってしまうかもしれません。

鈴鹿サーキット公式Xもこのように注意喚起しています。が、公式がこう言うということはQRコードは当日まで同じものが有効ということなのでしょう。不正行為が起きないことを願うばかりです。


というわけで今回は、2024年のF1日本GPに向けて新しくなったMobility Stationのチケット購入システムの紹介でした。ファンが増えればこうした改善への投資もしやすくなると思うので、日本のF1・モータースポーツを支えていきたいですね。ちなみに私はD5席にいます。

それではまた。

関連記事