席数減?2025年F1日本GP鈴鹿サーキットの座席数を数えてみた

こんにちは。

2024年シーズンのF1はレッドブルの失速によりチャンピオン争いが面白くなってきていますが、先日早くも2025年の日本GPのチケット情報と発売日が公開されました。かなりの座席が値上げとなっており円安や開催権料の影響なのかと推測しますが、座席の配置についてもかなり変更がありました。今回は2024年に引き続き座席表を使って全観戦席の席数を数えてみました

座席の配置や数は毎年変わる

F1日本GPが鈴鹿サーキットで開催される際には、常設席の他に仮設席が設けられます。仮設席の位置や座席数はその年に見込まれる来場者数や前年までのブロックごとのチケットの売れ行きによって調整されており、それにより配置や座席数は毎年変わります。2022年は3年ぶりの開催でチケットが完売し、当時ミハエル・シューマッハ引退前最後の日本GPとなった2006年以来の完売だと話題になりましたが、用意された席数は当時と比べてかなり少なく同じだけの来場者を集めたわけではありませんでした。

このように用意されている座席数は毎年変わるため、私は以前2024年F1日本GP開催時の座席数を数えています。

2025年F1日本GPのチケット情報、そして座席表が発表されたので、2025年F1日本GP開催時の座席数も数えてみようというわけです。

2024年からの主な変更点

まずは2024年開催時から座席に関してどんな変更があったのかを見ていきます。

I席の仮設席が追加

ヘアピンを囲むように配置されている指定席、I席(NISSINブレーキヘアピン)に仮設席が追加されました。ここは鋭いブレーキングのあと比較的ゆっくりと曲がっていくF1マシンを近い距離からじっくり見ることができ、また写真撮影にも向いているため、フリー走行ではかなり早い時間から満席になっている人気の席です。近年はヘアピンの頂点付近にカメラマンエリアが設けられていましたが、2025年は仮設席となりました。

S席にS-BOX席が新設

最終コーナーのS席は子連れ専用のファミリーシートとして販売されてきましたが、今年は上段部分に新たにボックス席「S-BOX」が設けられました。これまで通常席だった部分が定員6名~8名のボックス席4種となっており、価格は46万円~68万円となっています。椅子やテーブルが備え付けでXLサイズではシェードもあるということで、家族連れ同士なんかで利用するのが良さそうです。例えばXLサイズを大人4人子ども4人で使ったとすると、大人1人のチケット代は実質15万円程度、Mサイズを大人4人子ども2人で使ったとすると実質11万円程度ということになりますね。

C席最上段仮設席・D席オアシス仮設席が廃止

近年はHonda RBPT応援席となっているC席(2コーナー~ASURA S字コーナー)ですが、2024年に最上段に設けられていた仮設席は2025年には廃止となりました。レッドブル勢を応援する熱いファンが集まる席ですが、発売後即完売となるようなこともなく他のエリアと比べても売れ残っていることが多い気がします。ここは需要を見ての調整ということでしょうか。

また、D席(ASURA S字コーナー~逆バンク)のE席側にあるD-1席のさらに後ろに設けられていたオアシス仮設席ですが、こちらも廃止となりました。

チケット価格も引き続き値上げ

2024年は全ての座席でチケット価格は値上げとなりましたが、今年は一部を除いての値上げとなっています。特に西エリア券は1.3倍を超える値上げとなっており、1万円以下で3日間楽しめていた時代は遠い過去の話となりそうです。逆に西コースの指定席や先述のC席は据え置きとなっており、円安で開催権料の支払いも大変になっていると思われるなか、座席数の増加や需要に合わせた価格設定となっていそうです。

2025年F1日本GP開催時の座席数

というわけで、2025年F1日本GP開催時の鈴鹿サーキットの座席数を数えてみました。座席表とにらめっこしながらコツコツ数えたものなので、数え間違いは絶対にあります。ブロックごとに数十単位で間違っている可能性もありますのであくまで参考程度にご覧ください。

場所別の座席数

観戦席 場所 席数
V1 グランドスタンド 5,016
V2 グランドスタンド 7,414
Q1 シケイン 1,070
Q2 シケイン 3,150
A1 メインストレート 3,229
A2 メインストレート 2,134
B1 1~2コーナー 900
B2 1~2コーナー 4,298
C 2コーナー~S字 7,116
D S字~逆バンク 8,591
E NIPPOコーナー 4,898
G 130R 3,681
H 110R 720
I ヘアピン 2,681
R 最終コーナー 2,536
S 最終コーナー 1,456
合計 58,890

2025年の指定席座席数は合計58,890席となりました。数え間違いが無い前提とはなりますが、全体では4%ほど座席数が減っています

座席表を見ていて、常設席の多くで「使用不可」となっている座席が多く見られました。視界や設備上の問題などがあるのかもしれませんが、座席数減少の要因の1つとなっていそうです。特にB1席は2割以上減っているようです。また、廃止となった仮設席があるC席やD席で座席数が減っています。元々の指定席を潰してS-BOX席が設定されたファミリーシートのS席も、定員数は減っていることになります。

一方、西コース指定席のH席や仮設席が増設されるI席は座席数が2割~3割増えています。これらのチケット価格は据え置きとなっていること、自由席となる西エリア券は値上げしていることから、人気の座席と比較的人気の無い座席を組み合わせて観客を西コースに流し、収益性を高めようとしているようにも思えます。

常設席・仮設席の数

席種 席数
常設席 49,227
仮設席 9,249

常設席・仮設席ともに2024年よりも減っています。仮設席の割合は2024年とほぼ同程度の約16%でした。

アウトレットシートなどの数

最後に、アウトレットシートや車いす席、ボックス席などの特殊な席の数を見ていきます。

席種 席数
通常席 51,239
アウトレットシート 5,967
スーパーアウトレットシート 1,058
車いす席 134
ボックス席等 492

指定席の数は2024年と比べて減っているものの、アウトレットシートとスーパーアウトレットの席数に占める割合は増えています。使用不可の席が増えただけでなくアウトレットシートのエリアも増えているようです。

車いす席も少し増えたほか、S-BOX席の新設によりボックス席等の定員は3倍弱まで増えました

チケット価格と開催権料

近年のF1はアメリカ人気の上昇などからその価値が高まっており、新興開催地がどんどん増えています。それにより開催権料が高騰したり伝統的な開催地の特別扱いが無くなったりしてきており、ドライバーに愛される鈴鹿サーキットでの開催もいつまで続くか分かりません。鈴鹿での開催契約は2029年まで延長されたことが発表されていますが、F1側からの要望に応える形で長年の秋開催から春開催に移ったり、大阪がF1側が好む市街地開催の形でF1開催に名乗りを上げているなど、F1側優位の交渉になっているであろうことは想像できます。ただでさえ開催権料が高騰するなかで円安も進み(最近少し落ち着いてはいますが)、その苦しさがチケット価格にも表れているのかなと思います。

全ての指定席を大人が購入したと仮定した場合、チケット収入は約36億円となり、2024年から2億円弱の増加となっています。一方で新たにU23(高校生~23歳)価格が設定されたエリアがあったり小中学生や未就学児では据え置きや値下げが多くなっていたりするなど、単純に値上げ幅がそのままチケット収入の増加に繋がるものとは言えなそうです。次世代のファンを増やして開催を継続させていきたい、そのために大人のチケットで値上げをしているというようにも捉えられると思います。

インバウンド需要も取り込んで継続を

F1日本GPに訪れるのは日本人だけではありません。新型コロナウイルス感染症による開催中止以後、2022年の再開から2024年まで、年々外国人の来場者の姿は増えてきているように思います。実際2024年には、F1観戦に訪れるインバウンド(訪日外国人)に三重県や奈良県の観光地を周遊してもらう観戦パッケージ「F1日本グランプリ地域観光パッケージ」が販売されました。

この取り組みは地域活性化と観光客分散に繋がるとして、ツーリズムEXPOジャパン「ジャパン・ツーリズム・アワード」の審査員特別賞を受賞しており、このような形のツアーや観戦パッケージは今後も増えていくと思われます。このような形で外国人の力も借りながら、鈴鹿のF1という観光資源を武器にして日本のF1が継続していくことに繋がればいいなと思っています。


というわけで今回は、2025年F1日本GPの座席に関する2024年からの変更点、そして座席数について見てきました。2025年F1日本GPのチケット発売は10月13日11時からです。今から座席や3日間の過ごし方について思いを馳せてしまいますね。ホテルの予約もお早めに。

それではまた。

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