【F1日本GP】金曜日券で木・金のイベントを最大限楽しむ【ピットウォーク】

【F1日本GP】金曜日券で木・金のイベントを最大限楽しむ【ピットウォーク】

こんにちは。

日本GPを終え2023年シーズンのF1は最終盤を迎えていますが、春開催となる2024年の日本GPチケットも間もなく発売となります。私は2023年の日本GPで初めて金曜日券を購入し、木曜日と金曜日のみ鈴鹿サーキットで現地観戦してきました。あまり知られていない金曜日券ですが、東京から夜行バス移動とホテル1泊で木曜日と金曜日を最大限楽しむことができます。今回は私の実体験を元に、F1日本GPを金曜日券でコスパ良く現地観戦する方法について紹介します。

金曜日券という選択肢

関東からのF1観戦はお金がかかる

F1は金曜日・土曜日・日曜日と3日間に渡って走行セッションが行われるため、日本GPのチケットは3日間の通し券が基本です。金曜日から日曜日まで楽しみたい場合は、数万円する高価な指定席チケットか、安いもののサーキットのメインエリアから遠く座席の無い西コースしか入れない西エリア券を購入することになります。

私のように東京など遠方から現地へ向かう場合、移動の疲れやホテルを取れる場所を考えると最低でも3泊4日、余裕を見ると4泊5日の大型日程になってしまいます。ただでさえ数万円する観戦チケットに加え、現地までの交通費やホテルの宿泊費を考えると出費は相当なものになります

自由席の金曜日に好きな場所で見る

そんな私にとって1つの選択肢となったのが金曜日券でした。金曜日券はその名の通り3日間の走行日のうち金曜日のみ入場することができるチケットで、金曜日券の価格は西エリア券と同程度です。土曜日と日曜日は西コースを除いて観戦席は指定席となっていますが、金曜日はグランドスタンドなど特定の観戦席を除いて自由席となっています。その金曜日に入場できる金曜日券は、予選や決勝レースは生で見れなくてもいいので好きな場所でF1マシンの走行を見たい、という人にぴったりのチケットです。

もちろん金曜日に雨が降ったら台無しにならないか、木曜日からの移動で仕事は休めるのか、1日のために新幹線で移動して元は取れるのか、など懸念点は多くあります。そのあたりはまだチケットを購入していない頃にブログに書いていました。

そんな金曜日券の購入を迷っていた私の背中を押したのは、木曜日に行われるイベントの発表でした。

木曜日のイベントにも行ってみたい

実は3日間の通し券は、前日の木曜日とレース翌日の月曜日もサーキットに入場することができます。実際に走行が行われるのは3日間だけですが、グランプリ前後のチームや観戦席の様子を見に行ったり併設のパークで遊んだりすることができます。このルールは金曜日券も例外ではなく、金曜日券であれば前日の木曜日もサーキットに入場することができます

例年木曜日はピットウォークやコースウォーク、ドライバーのサイン会といったイベントが行われていました。3日間行くだけでも相当なお金がかかる現地観戦なので、さらに木曜日から行っている人は相当なファンだろうと思われるのですが、実は新型コロナウイルス感染症による2年の中止を経た昨年2022年の木曜日は一切イベントが行われませんでした。

久しぶりの木曜日イベント

2023年は感染症対策の行動制限が完全に解除されてから初めての開催となり、木曜日にピットウォークとストレートウォークが行われることが発表されました。ドライバーサイン会については開催は見送られましたが、久しぶりの木曜日イベントということになりました。私は過去数回現地観戦をしたことがありますが、木曜日のイベントに参加したことはありませんでした。追加料金無しで参加できる、そして本来行けるのは金曜日の1日だけと考えると、木曜日のイベントに参加すれば金曜日券の元が取れるのではと考えました。こうして金曜日券を購入し木曜日から現地入りすることを決めたわけです。

夜行バス+ホテル1泊のスケジュール

夜行バスで木曜早朝に現地到着

さて、木曜日のピットウォークは朝9時から行われます。また、メインゲートのオープンは8時半です。公共交通機関を使って移動する場合、東京近辺の私の家からは早朝にどんなに頑張っても9時より前に鈴鹿サーキットに到着することはできません。木曜日のイベントに参加したことがない私はどのくらいの時間に着けばピットウォークに参加できるのか全く想像がつかず、とにかく早くサーキットに着けるようにしようと考えました。

そこで利用することにしたのが夜行バスです。夜行バスであれば水曜日に仕事を終えて夜に乗車すれば、翌朝早くに現地近くにたどり着くことができます。近鉄の最寄り駅である白子駅からのシャトルバスもまだ混まない時間帯でしょう。なかなかハードスケジュールにはなりますが、3年ぶりの木曜ピットウォーク開催となれば多くのファンが集まるでしょうから、そのくらいの準備が必要だと思ったわけです。そこから1日サーキットで過ごし木曜日から1泊ホテルを取れば、宿泊費もかなり安上がりになります。また、3泊の予約はサーキット周辺では難しくどうしても名古屋あたりまで範囲を広げて探す必要がありますが、木曜日から1泊であればサーキット周辺でも取れる可能性があります。今回私は白子駅まで電車で20分ほどの近鉄四日市駅近くのビジネスホテルを予約できました。

ちなみに先に結末を話すとこの努力は正直無意味でした。勝手にピットウォークは早いもの勝ちだと思っていたのですが、11時頃に行っても余裕で入場できます。また、8時半にメインゲートオープンの待機列に並んだとしても、入場後結局9時までコース脇で待機することになり、人混みのなか直射日光を浴びて結構大変でした。お気に入りのチームがあったりガレージに招き入れてもらいたかったりする人はなるべく早くチームのガレージまで行って最前列で待ち構えておく必要はあると思いますが、コースの雰囲気を楽しんだりマシンパーツの写真を撮ったりくらいの楽しみ方であればオープン時刻に並んでおく必要は無いと思います。もちろん新幹線より夜行バスのほうが安いですがその分快適性も低いので、もし次回木曜日のイベントに行くことになれば当日早朝出発で頑張ると思います。

F1ファンだらけの夜行バス

新宿を0時に出発する夜行バスで四日市や白子を通って伊勢まで向かう便があり、この便を使うと朝7時前には白子駅に着くことができます。水曜深夜の出発ながら満席で、こんな平日に夜行バスで伊勢方面に行く人もいるもんだなあと思っていたのですが、乗ってみると多くの人がF1関連の服や帽子を身に着けていました。実際四日市駅や白子駅で結構な人が降りていたので、この時期の伊勢方面の夜行バスはF1ファン御用達なのかもしれません。

定刻より少し早めの6時半頃には白子駅前に到着しました。白子駅から鈴鹿サーキットまでの臨時シャトルバスは三重交通が運行していますが、なんと木曜日も朝早く7時から運行してくれています。既に臨時バス第1便のために30人ほどが待っていましたが、問題なく乗車することができました。7時20分頃には鈴鹿サーキットメインゲート前に到着です。この時点では数十人がメインゲート前で待っている状態でしたが、そこからシャトルバスが到着するたびにその列はどんどん伸びていきました。とはいえ先ほども書いたようにピットウォーク自体は人数制限などは無かったので、ゲートオープン後に到着したほうがスムーズに入れると思います。

木曜ピットウォーク・ストレートウォーク

というわけでここからは木曜日のピットウォーク・ストレートウォークの様子をお届けします。

いよいよコースへ入場

メインゲートオープン後、安全のためスタッフの先導でゆっくりコース入場口へ向かいます。走らないよう再三アナウンスしていましたが、歩いている脇を走り抜けていく外国人が多く、このあたりはインバウンド復活後の課題かなと思います。

ピットウォークの入場口へ向かう様子
普段通り過ぎてしまう脇道からコースへ入ることができる

グランドスタンドから1コーナー方面へ向かう途中のところにコース入場口があります。コースから見るとホームストレートのちょうどピットレーン出口の反対側あたりです。8時半メインゲートオープンから5分ほどでここまで移動し、結局ピットウォーク開始時刻の9時までしばらくここで待機することになりました。途中太陽が出てきて日差しがきつかったです・・・。

ホームストレートのスタートシグナル
中継映像では小さく見えるスタートシグナルは実際はとても大きい

レース観戦人生通じてコースウォークは初めてだったので、すごくテンションが上がりました。テレビではあんなに小さく見えるスタートシグナルも、コース上で肉眼で見るととても大きく見えました(実際大きい)。5つ点灯からのブラックアウトという一連の動作も行われていました。

ガレージが目の前

レッドブルのガレージ
レッドブルのガレージ前も開始直後はガラガラ

ピットレーンを端から端まで歩くことができるため、当然各チームのガレージを見ることができます。ピットウォーク開始直後は人も少なく、じっくり見ることができました。とはいえ朝早いと大した作業はしていません。徐々に人が集まってくるとチーム側もファンを招き入れたり動きを見せてくるようになります。

メルセデスのフロントノーズ
スペアパーツを間近で見ることができる

晴れていたのでフロントノーズやタイヤといったマシンに取り付ける前のパーツやスペアパーツがピットレーン側に置かれており、間近で見ることができました。大きく、そして美しいですね。見とれてしまいます。

ピットレーンに並べられたタイヤ
ホイールにセットされたタイヤが並べられていた
マクラーレンのガレージ内で組み上げ中のF1マシン
各チームのマシンはメカニックが組み上げ中
ピットレーンにスポンサーロゴを描くスタッフ
F1仕様の装飾作業も木曜日まで行われている

スポンサーロゴの看板は既にF1仕様になっていましたが、ピットレーン地面の装飾はちょうど作業中でした。タイトルスポンサーとなったLenovoのロゴですが、こうやって描いているんですね。こういったF1そのもの以外の準備も見ることができるのは面白いです。

徐々に人気チーム前は人混みに

レッドブルのガレージ前に集まるファン
人気のチームのガレージ前は人が溢れる

20分もすると人気チームのガレージ前はファンでいっぱいになります。じっくり見たい人はやはり早めに入場しておくのが良いでしょう。自撮り棒でも無いと人混みではなかなか写真が撮れないです。一応観戦時の自撮り棒の使用は禁止されていますが、ピットウォークでは使っている人が結構いました。詳しい観戦マナーは覚えていませんが、今は観戦時ではないor観戦席ではない、という理屈は通るでしょうか。ちなみに私はスマホとデジカメ撮影です。

ホームストレートのスタート地点から1コーナー方向
ホームストレートから1コーナーへの下り坂

もちろんホームストレートも端から端まで歩くことができます。鈴鹿サーキットのホームストレートは大きく下っていく構造で、1コーナー側の端から1コーナー方面を眺めるとなかなかの景色です。あのコーナーをスロットル全開の時速300km超で曲がっていくのは改めてすごいですね。

グランドスタンドにも入れるのは木曜日の特権

グランドスタンドから見たアルファタウリのガレージ
グランドスタンドからもピットレーンはよく見える

入場から1時間経っていませんが、夜行バスで全然寝れなかった疲れ+人が増えてきて人混みがつらくなってきたので、コースを出てグランドスタンドへやってきました。グランドスタンドはグランドスタンドの指定席チケットを持っていない限り金曜日以降は入れなくなるので、せっかく木曜日に来たのでグランドスタンドにも行こうと思っていました。やはり角田裕毅の所属するアルファタウリのガレージ前はすごい人ですね。日本人ドライバーがいなくてもF1を見る日本人は多いでしょうが、やはり日本を背負ってくれる代表選手がいると盛り上がるものです。頑張ってほしいですね。

グランドスタンドからのホームストレートと1コーナー方面
グランドスタンドはホームストレートを広く見渡せる

ガレージをじっくり見たい、あわよくばドライバーをこの目で見たい、という人であればガレージ前にずっといるのが良いと思いますが、全体の雰囲気を楽しみたいという場合はグランドスタンドもとてもおすすめです。ホームストレート全体を見渡すことができるほか、屋根の下の椅子でゆっくり過ごすことができます。ぱっと見渡して走行の無い木曜日でこれだけのファンが来るんだなあと感動します。ちなみに場内スクリーンではフジテレビF1中継のシーズンハイライト映像が流れていました。ペレスが輝いていたシーズン序盤の映像を見ると寂しい気持ちに・・・。

運が良ければピットストップ練習も

午前中の時間帯のためチームのスケジュールによると思いますが、運が良ければピットストップ練習を間近で見ることができます。私は既にグランドスタンドにいましたが、フェラーリがピットストップ練習を始めたのを見てグランドスタンド最上段に移動し、動画を撮りました。

ピットストップ練習の際はエンジンはかけずに手押しでマシンが入ってくるのを再現します。レース中の給油が無くなってからピットストップ時間=タイヤ交換の時間となりましたが、流石の早さですね。2022年からホイールが重く大きくなっているのに最速記録が更新されているのは本当にどうかしていると思います。

ちなみにタイヤのナットを締めたり緩めたりするホイールガンはものすごく大きな音がするので、ピットストップ練習が始まったことは遠くにいてもすぐ分かります。また見やすさの点ではグランドスタンド最上段でも人垣に隠れてしまいますが、人垣の最前列以外で肉眼で見ることを諦めて腕を伸ばして頑張って撮影するくらいなら、グランドスタンドから見たほうがよく見えると思います。カメラを持っていない場合双眼鏡は必須ですが。

時間内に退場しない残念な人たち

残念な点にも触れておきます。ピットウォーク・ストレートウォークは12時終了となっていましたが、終了時刻になっても退場しようとしない自分勝手なファンが多くいました

終了時刻になっても退出せず写真撮影を続けるファン
目の前でスタッフに言われるまで退場しようとしないファン

終了時刻の30分ほど前から、全体スケジュールの進行に影響したりチームに迷惑になったりしないよう、必ず終了時刻までに退出を完了させるよう再三アナウンスがありました。それにもかかわらず、いつまでも出口から遠い場所に留まったり、スタッフが撤収の呼びかけをしているにもかかわらず写真撮影を続ける図々しい人が多くとても残念でした。スタッフも最初は控えめな言葉で退場を促していましたが、徐々に語気が荒くなり目の前で拡声器を使うような状況になってしまっていました。正直外から見ていて雰囲気は悪かったです。結局時間内に退出は完了せず、こういうことが続けばピットウォークなどのイベントは行われなくなってしまうんだろうと思います。もう少し頭を使ってほしいですね。

木曜日はその後GPスクエアの展示などを見て、ホテルのチェックイン時刻に合わせてサーキットを出ました。近鉄白子駅までのシャトルバスも待ち時間20分ほどで乗ることができました。ちなみに通常のバス停を経由する定期バスも混ざっているので、白子駅直通の臨時バスに乗れるかは運です。

金曜日も歩き回る

ここからはフリー走行が行われる金曜日のレポートです。

金曜日から三重交通は本気

金曜日は白子駅に8時3分に到着する列車に乗りました。学生が多く乗っている時間帯で、そんななかレッドブルやメルセデスの格好をした人が多く乗り込み、さながら東京の満員電車の様相を呈していました。通勤通学時間帯に重なってしまうのは仕方ないことですが、地元民の協力でグランプリが開催できていることは常に頭に入れておきたいですね。

白子駅からのバスは、大雨となった昨年2022年は超大行列で私も2時間以上待たされましたが、今年は待ち時間無く乗車することができました。もちろん10時過ぎに白子駅に着いた昨年よりも早い時間なので人も少なかったのだとは思いますが、乗車位置が商店街の一番奥のところに変わり大量のバスが控えていました。3年ぶりの開催となった昨年の混雑と混乱を見て、バスを運行する三重交通が金曜日から本気を出してくれたのだと思います。ありがとうございます。

8時11分にバスに乗車し、サーキットのP8駐車場に8時31分に到着しました。交通系ICカードがあればサーキット到着後にタッチで精算することができ、とてもスムーズです。P8駐車場からメインゲートまではのんびり歩いても15分ほどで到着でき、途中にドライバーの入り待ちを行えるエリアもあるので、そこで待ってみるのも良いかもしれません。

トークイベントにも初めて参加

1人で参戦となった今年は金曜日券で最大限楽しめるよう綿密にスケジュールを組んできたので、GPスクエアで行われるトークイベントにもいくつか参加しました。

まずは、F1中継配信を行っているDAZNのメンバーとゲストによるトークイベントです。

DAZNステージでトーク中のサッシャさんと中野信治さん
おなじみのサッシャさんと中野信治さん
DAZNステージの浅木泰昭さん
ホンダを退職した浅木泰昭さん
DAZNステージの笹原右京選手と松下信治選手
ドライバー枠として笹原右京選手と松下信治選手も

金曜日の朝から多くのファンが詰めかけていることにサッシャさんも驚いていました。GPスクエアでのトークイベントでは前から詰めて地面に直接座ることになります。折りたたみ椅子などは使うことができないため、アウトドア用のクッションがあるとお尻が痛くならずに楽しめると思います。また、どんどんと後ろに人が座っていくため、イベントの途中で抜けたい人は中央ではなく左右の端のほうにいると出やすいかなと思います。ベビーカーを持ってきた人もいましたが、後ろの人がステージが見えなくてイライラしていただけでなく、子どもをあやすため結局途中で抜けることになって周囲に迷惑をかけていたため、トークイベントに参加する際は周りに迷惑をかける状態でないかは考えたほうがいいかなと思います。

余談ですが、笹原右京選手は先日のスーパーフォーミュラの鈴鹿でとんでもない大クラッシュがありましたが、大きな怪我も無く安心しました・・・。

ドライバーも登場

続くステージでは、現役ドライバーが登場しました。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロール、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンとローガン・サージェント、アルファロメオのバルテリ・ボッタスと周冠宇です。

トークイベントに登場したフェルナンド・アロンソとランス・ストロール
フェルナンド・アロンソとランス・ストロール(アストンマーティン)
トークイベントに登場したアレクサンダー・アルボンとローガン・サージェント
アレクサンダー・アルボンとローガン・サージェント(ウィリアムズ)
トークイベントに登場したバルテリ・ボッタスと周冠宇
バルテリ・ボッタスと周冠宇(アルファロメオ)

直後に走行を控えているためそれぞれの出演時間はとても短かったですが、それでもドライバーを生で見て声を聞けるのは良いですね。日本語で挨拶をしてくれるドライバーも多く、リップサービスだったとしても鈴鹿や日本が大好きと言ってくれるのは嬉しいです。

フリー走行1回目はヘアピンから

11時半開始のフリー走行1回目に備え、10時20分頃にGPスクエアを出発しました。フリー走行1回目は初めて西コースに行ってみようと思い、まずヘアピンからスタートすることにしていました。ヘアピン席(I席)は人気の席であるため1時間前には席を確保しておきたいところですが、ドライバーを見たい気持ちが勝ってしまいヘアピン到着は10時45分くらいになりました。もう席は概ね埋まっており、1人だからなんとか座れたと思っています。ヘアピン席はフリー走行開始時点で満席になっており、他の観戦席へ行くようアナウンスが行われていました。

ちなみに夜の雨で席がかなり濡れていたのでここでもクッションが役立ちました。また、日差しがかなり強く遮るものは無いため、帽子の下にタオルを被るような形で上からと左右からの日差しをしのぎました。

ヘアピンカーブとI席
既に埋まり始めているI席とヘアピンカーブ
ヘアピンを走行するオスカー・ピアストリ
比較的低速になるため流し撮りはしやすい
ヘアピンを走行するシャルル・ルクレールとフェルナンド・アロンソ
稀に並走も見られた

コーナリングの基本はアウト・イン・アウトですが、グラウンドエフェクトカーになってからはボトムスピードを上げてダウンフォースをなるべく維持するためにインに付かないライン取りが増えています。この鈴鹿のヘアピンも例外ではなく、インに付かないライン取りのドライバーが非常に多かったです。そのためコーナリング中の様子を写真に収めるとイン側の縁石が画角に入らず、以前よりも臨場感やヘアピン感が薄れた写真しか撮れなくなっていると思います。

また、ヘアピン席はコースとの距離が近く前の人の頭が視界に入る角度になるため、頭と頭の隙間から覗き込むような感じになってしまいます。写真撮影にはあまり向いていない席かもしれません。

至近距離金網ゾーンを抜けてスプーンカーブへ

11時45分には移動を開始しようと思っていましたが、久々にF1マシンを見た興奮もあって55分までヘアピン席にいました。フリー走行は60分間となっているため、セッション中に移動したい場合は時間との戦いです。

フリー走行1回目後半はスプーンカーブで見ようと思っていたので、ヘアピンからさらに奥へ進む形になります。途中には走行中のマシンが目の前を高速で通過していく金網のエリアがあります。

このエリアはここ最近は幕で隠されていたようですが、今年は開放され見ることができました。心臓を揺さぶってくるような迫力の低音と、ガソリンの燃える匂いを感じることができます。音が低く小さくなって迫力が無くなったと言われる現代のF1ですが、ここにずっといたら倒れてしまうんじゃないかという迫力でした。映像では伝えきれないのがとても残念です。ぜひ生で体感してほしいおすすめの場所です。

通路自体は立ち止まっていても問題ない程度の広さがありますが、多くの人が固まっていたら邪魔になりそうな場所ではあるので、少し見て体感したら引き続き移動するのが良いと思います。

スプーンでセッション終了まで

スプーンカーブ入り口に到着したのは12時8分頃でした。スプーン周辺の観戦エリアは丘のようになっているため、高い位置からマシンを眺めることができます。大きく回り込むようなコーナーのため、様々な角度から走行を見ることができるのも良いポイントです。

スプーンを通過するリアム・ローソン
スプーン入り口を通過するリアム・ローソンを後ろから
スプーンを通過する角田裕毅
スプーンに飛び込む角田裕毅

セッション終盤の走行するマシンの多い時間帯にスプーンカーブのエリアで自由に移動しながら見れたのは良かったです。指定席エリアだとなかなか移動しながらの観戦は難しいですからね。

そのままスプーン周辺で昼食

東コースで見ようと思っているフリー走行2回目までは時間があるため、昼食を取ることにしました。GPスクエアのほうまで戻っても良かったですが、スプーンエリアのほうが人が少ないと思ったので、スプーンエリアの屋台で唐揚げなどを買いました。夜行バスの疲れが取れきっていないのでアルコールはやめようと思っていましたが、我慢できずハイネケンも購入。観戦エリア最上段の椅子のようなところに座ってゆっくり食べました。屋台は10個くらい並んでおり、キャッシュレス支払いも可能でした。また、ハイネケンがF1公式パートナーとなっているため、ビールは全てハイネケンです。GPスクエア周辺では紙コップでの販売もありますが、屋台では缶での販売でした。

スプーンエリアに置かれていたテックプロバリア
なぜかスプーンの休憩エリアに置かれていた野生の(?)テックプロバリア

フリー走行2回目は最終コーナーから

フリー走行2回目に備え14時にはS席に移動しました。S席は最終コーナーの観戦席で、ヘアピンを立ち上がってホームストレートへ駆け下りてくるマシンを正面から見ることができます。指定席としてはファミリー席となるため、金曜日券でなくてもここは金曜日に行っておきたいです。ここでの撮影も憧れがあったので早めに移動しておきました。

ただ、フリー走行2回目の時間帯は逆光だったこと、正面向きでこちらに近づいてくるマシンを綺麗に撮影するのが想像以上に難しかったこともあり、S席に来たのは失敗だったかなと思います。途中からは肉眼で見ることに集中しました。

S字カーブへ移動

セッション開始10分ほどで撮影を諦め、S字カーブを広く見ることができるD席へ移動を開始しました。25分くらいには到着していたと思います。このあたりのエリアは通路が観戦席よりも低い位置にあり、入ってみないとどういう景色が見えるか分からないので、余裕を持って移動したほうがいいと思います。

逆バンクからNIPPOコーナー方面
D席では鈴鹿らしい景色が見られる
3台が続けて走っているところ
逆バンクからNIPPOコーナーへ向かう3台を収められた

色々なコーナーを見てきましたが、やはり鈴鹿らしさを感じられるのはS字カーブと1コーナーかなと思います。D席はS字を様々な角度で見られて良いですね。昨年の指定席もD席でしたが2コーナー寄りの席だったので、NIPPOコーナー(旧ダンロップコーナー)側でも見ることができて嬉しかったです。

1・2コーナーへ

観戦の締めくくりは1・2コーナーにしました。レッドブル・アルファタウリ応援席のあるC席に寄り道しながら、B席へ向かいます。D席からは10分ほどで移動できました。一度B2席へ行きましたが、空いている席が見つからず人の前をうろうろするのもはばかられたため、B2席下のB1席後ろから写真を撮ることにしました。

2コーナーへ進入するセルジオ・ペレス
1・2コーナーは最も流し撮りが映えるポイントかもしれない

立ち止まって見ている人も多くいましたが、通路の端のあたりのため人の通行が多い時間は撮影はしないほうがいいと思います。セッション後半で移動する人が少なかったため撮影できたという感じで、B席で撮影したい場合はセッション開始前から席を確保しておくほうがいいと思いました。

赤旗を掲出するコースマーシャル
ガスリーの単独クラッシュにより赤旗終了となった

ちなみにセッション残り数分のところでピエール・ガスリーがクラッシュして赤旗、そのままセッション終了となりました。フリー走行は赤旗でも残り時間は減っていくため、最終盤の赤旗で良かったです。

セバスチャン・ベッテルのプロジェクトに使われた2コーナー
ベッテルの生物多様性啓発プロジェクトに使われた2コーナー

セッション終了後には、セッション中に行けなかったB2席上段へ行きました。セバスチャン・ベッテルの生物多様性啓発プロジェクトの一環である「Buzzin' Corner」も見てきました。黄色と黒に塗られた縁石は不思議な見た目です。

金曜のうちに帰宅し自宅観戦

ここからは帰宅レースになります。木曜日から金曜日の1泊しかホテルを取っていないため、金曜日のうちに東京の自宅まで帰らなければなりません。18時半からのトークイベントに登場する角田裕毅を生で見たい気持ちもありましたが、シャトルバスの最終便が18時15分ということで諦めました。その時間はかなりの大雨が降ったようで、結果的には残らなくて良かったかなと思っています。

サーキットから徒歩で白子駅へ

一日中歩き回って疲れていることは確実だったので、あらかじめ名古屋までの近鉄特急も予約していました。問題はシャトルバスに乗れるかどうかですが、行きと比べて人が集中するため相当な待ち時間が予想されます。一度はかなり手前まで伸びたバス待ち列に並びましたが、全然進む気配が無く予約した特急列車の発車時刻も近づいてきていたため、徒歩で白子駅まで帰ることにしました。

昨年の金曜日にサーキットから白子駅まで徒歩で移動したことがあったため、どのくらい大変でどのくらい時間がかかるかも分かっていました。それでも昨年と違いかなり歩き回った後の徒歩移動のため、なかなか大変でした。ひたすら真っすぐ歩くルートで暇なのでイヤホンは必須ですね。

鈴鹿サーキットから白子駅まで徒歩で移動する場合、1時間20分ほどを見ておけば大丈夫です。私は17時9分にメインゲート横を出発し18時14分に白子駅に到着したので、徒歩1時間5分でした。特急列車の発車時刻まで少し余裕を持ちたかったので気持ち早歩きでしたが、道沿いのコンビニにも立ち寄ってこの時間だったので、大体1時間~1時間20分くらいになると思います。ただし足が疲れていると結構きつい距離のため、時間に制約が無い場合はシャトルバスを待ってもいいと思います。もちろん鈴鹿サーキット稲生駅から伊勢鉄道を利用してもいいと思いますが、本数や両数が少ないためかなり混雑しており、待てば座れはするバスのほうが良いのではと思います。

徒歩移動の欠点として他に挙げるとすれば、サーキット帰りの多くの車で渋滞している道の脇をずっと歩くため、滞留する排気ガスをずっと吸い続けることになる点です。また、途中で歩道が無くなる箇所もあるため、日が暮れてくると結構危険です。

外国人で溢れる近鉄特急

帰りに乗車した近鉄特急は、F1観戦帰りの外国人で溢れていました。日本人より有料特急を使うハードルが低いのかもしれません。ビジネス利用の乗客はちょっと鬱陶しく思っているように見えました。

金曜日券のメリット・デメリット

というわけで、ここまで長々と木曜日・金曜日の観戦レポートを書いてきました。今回初めて金曜日券での観戦をしてみて気づいた、金曜日券のメリットとデメリットをまとめます。

金曜日券のメリット

  • チケットが安い
  • 宿泊費を抑えられる
  • サーキット近くに泊まれる
  • 木曜日のイベントも楽しめる
  • 最大限楽しもうという気持ちを高められる
  • 混雑を避けられる

金曜日券の最大のメリットはやはり出費を抑えられるという点です。興行的に価値の高い土曜日と日曜日を削っているわけで、それゆえの安さになっています。木曜日まで含めたとしても1泊か2泊で十分なので、3泊4泊必要な通し券と比べると全体の出費もかなり抑えられます。木曜日からの1泊であればサーキット周辺のホテルも取れる可能性が高いので、名古屋とサーキットの行き来も考えなくてよくなります。

木曜日のイベントに参加できるのは通し券も共通ですが、3分の1しか楽しめないはずの金曜日券で木曜日も楽しめるとなれば、実質価値は2倍です。実際にピットウォークに参加してみて、金曜日からの参戦ではなかなか味わえない体験ができました。通し券で木曜日から参戦しようとするとこれまた宿泊費の増加に繋がるため、私なら通し券の場合は木曜日は諦めてしまうと思います。

そして見られる走行日が金曜日1日しか無いと思うと最大限楽しまなきゃという気持ちになり、事前の計画を綿密に行うようになりました。あらかじめどこの席から見たいかを決めておき、大体どのくらいの時間で移動するのか、どのトークイベントが見られるのか等をまとめておきました。実際その通りに動けるかはまた別の話ですが、気持ちも高まってより楽しめたと思います。

金曜日はお客さんも少ない(年々増えていますが)ので、混雑も避けやすいと思います。もちろん混み合うエリアはありますが、考えて移動すればトイレや屋台で並んで待つということもありません。携帯電話も人が多いと繋がりにくくなってしまうため、スマホに依存している人は土曜日・日曜日はつらいかもしれません。

金曜日券のデメリット

  • 土曜日・日曜日の様子が見られない
  • 身体的に負担のある日程になる
  • 旅程に対する移動時間が長い
  • 雨や赤旗の際の損失が大きい
  • 金曜日の仕事を休めなくなるリスクがある

金曜日券最大のデメリットは、土曜日と日曜日の現地の様子を見られないということです(当たり前ですが)。金曜日に様々な観戦エリアをまわりながら、ああこの人たちは明日も明後日もここで楽しむんだなあと思っていました。何かに追われるようにせかせかと移動する必要も無く、余裕を持って3日間を過ごすことができるのはやはり通し券の魅力です。もちろん予選や決勝はテレビ中継を見るほうが情報量も多く楽しめますが、予選の緊張感や決勝の熱気は金曜日では感じられないもので、ドライバーズパレードといったイベントを逃してしまうのももったいないです。今年は土曜日に角田裕毅のアルファタウリ残留が発表され、サプライズで本人が登場して残留について語る場面があったということで、そういったものも逃してしまいます。

また、1泊で木曜日と金曜日を楽しむとなると、どうしても無理な日程になりがちです。今回私は木曜日のメインゲートオープンに間に合わせるため、夜行バスで東京から向かう選択をしました。久しぶりの夜行バスでほとんど寝ることができず木曜日は身体的にかなりつらかったです。結果的に早朝の新幹線でもピットウォークには問題なかったことを抜きにしても、最大限楽しまなくてはという気持ちで詰め込み日程にするため、身体への負担は大きくなってしまいます。旅程の面でもほとんどが移動時間になってしまうため、本当に得をしているんだろうかと考えてしまうタイミングもあります。

今回は木曜日・金曜日とも天気が良く、最大限楽しむことができました。一方、昨年は金曜日と日曜日が大雨であまり楽しむことができませんでした。土曜日は晴れてF1マシンの素早い動きを見ることができたからまだ良かったもののそれでも高いチケット代に対する満足感は低く、もし昨年が金曜日券だったらと思うと恐ろしいです。セッション序盤に大クラッシュ等で赤旗が出た場合も同様で、金曜日で満足できなかった場合に土日で取り返すということができません。金曜日券は金曜日のセッションが開始された時点で興行成立となり払い戻しは受けられないため、台風直撃などよほどのことが無い限り満足に走行が見られなくても払い戻しは受けられないでしょう。1日しか走行を見るチャンスが無いとどうしてもそういったリスクはあります。もちろん金曜日は平日なので、仕事がどうしても休めなくなった場合も大損失です。


というわけで今回は、私が今年の日本GPに金曜日券で参戦し得た体験と、金曜日券のメリット・デメリットについてまとめました。1日でたくさん動き回る元気のある人、出費を抑えたい人、土日は家でじっくり楽しみたい人には金曜日券はおすすめですが、予選・決勝の臨場感を味わいたい人、雨や赤旗のリスクを取りたくない人は普通に通し券を購入するのが良いと思います。また、金曜日券の場合は木曜日のイベントにも参加してコスパを最大限高めるのがおすすめです。

2024年の日本GPのチケットは12月10日11時に発売となりますが、初の春開催なのもあり私は通し券にしようと思っています。お金を貯めなきゃですね。ちなみに金曜日券の販売開始については現時点では発表されていません。

それではまた。

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