【F1日本GP】サーキットEXPRESSの所要時間や注意点まとめ(名古屋駅直行バス)

こんにちは。

初の春開催となった2024年のF1日本GPが終了しました。私も現地で観戦しましたが、拠点にした名古屋から鈴鹿サーキットまでの移動は三重交通が運行する直行バスサーキットEXPRESS」を利用しました。名古屋駅からサーキットまでの所要時間が約2時間とされているこの高速バスですが、実際のところどのくらい時間がかかったのか利用するうえでどんなことに注意しなければならないかをまとめました。ぜひ来年以降の参考にしてください。

所要時間まとめ

実際の所要時間を知りたいという人も多いと思うので、先に所要時間や休憩場所を表にまとめておきます。

便 出発時刻 到着時刻 所要時間 休憩
金曜日 往路3便 8:59 10:36 1時間37分 無し
復路 17:07 19:20 2時間13分 御在所SA
土曜日 往路2便 8:16 10:03 1時間47分 御在所SA
復路 17:14 20:03 2時間49分 大山田PA
日曜日 往路3便 8:52 10:31 1時間39分 大山田PA
復路 17:11 19:59 2時間48分 鈴鹿PA

鈴鹿サーキットへの移動手段

鈴鹿サーキットは三重県鈴鹿市にあり、都市部からは離れた位置にあります。サーキット周辺のホテルはなかなか押さえることができないため、名古屋など近くの都市部から通う人が多くなります。この記事では東京方面からの移動も考えて、名古屋からの移動について紹介します。

駐車券を買って自家用車

鈴鹿サーキットへの移動手段は大きく4つに分けられます。1つは自家用車での移動です。観戦チケットの購入の際に一緒に駐車券を購入し、自宅やホテルから自家用車でサーキットまで来る方法です。バスや鉄道の時刻を考えずに過ごすことができ、プライベート空間を保っての移動も可能ですが、サーキット周辺の大渋滞に巻き込まれてしまいます。もちろん観戦や移動で疲れた状態での運転にも注意が必要です。

JR・伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅から徒歩

2つ目は伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅から徒歩で来る方法です。名古屋駅からJR線と伊勢鉄道を乗り継いで鈴鹿サーキット稲生駅まで来れば、そこからは徒歩30分ほどでサーキットに到着します。乗れてしまえば楽なほうですが、伊勢鉄道の運行本数や両数が少なく外でかなりの待ち時間が発生してしまうほか、交通系ICカードが使えないなど事前準備が必要になるという欠点があります。

近鉄の白子駅からシャトルバス

3つ目は近鉄の白子駅からのシャトルバスを利用する方法です。白子駅は名古屋駅から近鉄で乗り換え無しで来ることができるほか有料特急列車も充実しており、鉄道の便利さではJR・伊勢鉄道に勝ります。ただし白子駅から鈴鹿サーキットまでは徒歩では1時間15分ほどかかる距離があり、「三重交通の本気」と称されるほどの大量のシャトルバスをもってしても乗車までに2時間かかってしまうこともあります。

主要駅からの直行バス

そして4つ目は直行バスによる移動です。今回は名古屋からの直行バスについて紹介しますが、亀山駅や津駅からも運行されているようです。直行バスのメリット・デメリットについては以降で詳しく紹介します。

余談ですが、リニア中央新幹線の三重県駅は亀山市付近に設置されるとのことで、リニアが開業したらこのあたりの人流も変わるんでしょうかね。名古屋にすら来れる見込みの無いリニアの全線開通とF1日本GPの開催契約終了、どちらが先かという問題ですが。

近鉄の平田町駅は公式がおすすめ

その他、今年は近鉄の平田町駅を使うルートが再三案内されていました。近鉄の伊勢若松駅から分岐する近鉄鈴鹿線の終着駅で、鈴鹿サーキットまでは徒歩1時間ほどかかります。距離で見ると決して便利とは言えないので浸透していませんが、それゆえにおすすめのルートでもあります(私は行ったことがありません)。

名古屋駅直行バス「サーキットEXPRESS」

今回は数あるアクセス方法の中で私が何度も利用している、名古屋駅と鈴鹿サーキットを結ぶ直行バスサーキットEXPRESS」を紹介します。

サーキットEXPRESSは三重交通が販売するツアー商品で、観戦チケットやホテル宿泊は含まれず高速バスでの移動のみを提供しています。完全予約制となっているため必ず着席することができ、乗車までの待ち時間も基本的にはありません(もちろん受付から乗車までの時間はありますが、人が多すぎて待つということはありません)。

料金と出発時刻

料金は往復で1日8,000円で、他の移動手段と比べて決して安いとは言えませんが、待ち時間無く必ず座れる、サーキット目の前まで運んでくれることを考えるとその価値はあると思います。

2024年は金曜日から日曜日の3日間運行され、名古屋駅発の往路は7時発、8時発、9時発の計3便、サーキット発の復路はその日の最終セッション終了後から随時運行されています。日曜日に関しては栄バスターミナルからの運行もあったようです。

予約はWebから

サーキットEXPRESSの予約は三重交通のWebサイトから限定となっており、支払い方法もクレジットカード決済のみとなっています。複数人まとめての申し込みも可能ですが、座席指定制ではないため必ず隣や近くに座れるとは限りません。

発売直後はすぐ満席になってしまうこともありますが、三重交通がバスの手配さえできれば増便されるため、再び空席ありになることが多いです。調べたタイミングで満席でも少し経ってから再度確認してみましょう。2024年は開催1週間前まで予約を受け付けていたようです。

出発・到着場所

名古屋駅の集合場所はJR名古屋駅太閤通口の駅前広場(旧・ゆりの噴水前)です。駅構内側から見てJRハイウェイバス待合室の建物の裏手にあります。そこから少し移動して乗車しますが、復路はその乗車場所に到着します。

鈴鹿サーキットの出発・到着場所はP9駐車場です。

P9駐車場はサーキット北側の最果てにあるため、直行バスと言いつつも駐車場からメインゲートまでは結構距離があります。また、駐車場を出入りする車の流れを歩行者が遮らないようにするため、以前と違い駐車場を大きく迂回するような誘導がありました。これによりさらに時間がかかるようになっています。

鈴鹿サーキットP9駐車場からメインゲートまでの歩行者用通路
P9駐車場からメインゲートまでの歩行者用通路が設けられ、以前と比べて大きく迂回するようになった(国土地理院地図に加筆)

サーキットEXPRESS利用レポート

ここからは、2024年のF1日本GPの現地観戦で私がサーキットEXPRESSを利用した際の移動の詳細についてレポートしていきます。

金曜日往路

今回の現地観戦の拠点は名古屋駅近くのホテルにしましたが、節約のため金曜日からの2泊3日の行程にしました。私は東京周辺に住んでいるため早朝の新幹線で名古屋へ向かいましたが、一番早い列車でも名古屋駅7時34分着でホテルに荷物を預ける時間の余裕が少ないため、サーキットEXPRESSは9時発の3便にしました。

受付は20分前の8時40分に開始とありましたが、8時半頃に集合場所に到着したときには受付が始まっていました。係員にフルネームを伝えると往復の乗車券をもらえます。誘導に従って乗車場所手前の待機場所まで移動します。バスの準備ができたら乗車場所まで移動し、乗車券の往路分をちぎって係員に渡して乗車します。復路の分の乗車券は無くさないように注意が必要です。

バスは8時59分に名古屋駅を出発しました。東名阪自動車道を走り9時50分頃に鈴鹿インターチェンジ出口で渋滞に捕まります。料金所の通過まで10分弱かかりましたが、10時36分に鈴鹿サーキットP9駐車場に到着しました。所要時間は1時間37分でした。

P9駐車場からメインゲートを抜けてGPスクエアエントランスに着くまでは徒歩で約30分かかります。11時半にフリー走行1が開始するため、9時発の2便では良い席を確保したり西コースに行ったりするには遅いと思いました。金曜日からフルで楽しむには8時発の1便が良いと思います。

金曜日復路

16時にフリー走行2が終了し、16時半頃にGPスクエアエントランスを抜けました。P9駐車場の直行バス待機列には16時55分に到着しましたが、数分でバスへ案内されました。バスがいっぱいになってからの出発となるため、駐車場を出発したのは17時7分でした。

駐車場やサーキット目の前の道路はバス優先となっており、一般車の流れを止めてでも駐車場から出してもらえました。ただそこからの渋滞はひどく、鈴鹿インターチェンジの料金所を通過したのは18時19分、往路よりも30分以上余計に時間がかかりました。

行程が2時間を超えてしまうからか御在所サービスエリアでの休憩があり、名古屋駅到着は19時20分となりました。所要時間は2時間13分でした。

土曜日往路

土曜日はホテルからすぐ来られることを踏まえて8時発の2便にしました。7時40分頃に受付列に並び始めましたが、金曜日と比べものにならないほどの大行列でした。外国人も多く賑やかな日本GPが戻ってきたことを感じました。

7時56分に受付を済ませ、名古屋駅を出発したのは8時16分でした。今回は往路でも御在所サービスエリアでの休憩を挟み、9時29分に鈴鹿インターチェンジを通過、鈴鹿サーキットP9駐車場の到着は10時3分となりました。所要時間は1時間47分でした。

土曜日復路

16時に予選が終了し、トップ3インタビューの途中あたりで席を立ちました。今回私はD席だったのでE席側のトンネルを通ってGPスクエアへ抜けようとしましたが、トンネルはそもそも狭くて詰まり、さらに一部がキッズピットウォークの待機列として使用されていたためさらに混雑が激しくなっていました。GPスクエアエントランスに到着したのは16時42分頃で、P9駐車場の待機列に並んだのは17時過ぎとなりました。

乗車したバスは17時14分に動き出しましたが、駐車場を出るまでに20分かかりました。鈴鹿インターチェンジ通過は18時47分、今回は御在所サービスエリアよりも名古屋寄りの大山田パーキングエリアで休憩し、名古屋駅到着は20時3分となりました。所要時間は2時間49分となり、往路よりも1時間以上余計にかかりました。

日曜日往路

日曜日は午前中にメインイベントが無いのとその日のうちに東京まで帰る体力を残しておくため、再び9時発の3便にしました。8時37分に受付しましたが、既にバスへ向かっているグループもありました。土曜日よりもさらに人数が多かったため早めの出発になったのだと思います。私の乗車したバスも8時52分には発車しました。

途中大山田パーキングエリアでの休憩を挟み、9時50分に鈴鹿インターチェンジを通過、10時31分にP9駐車場に到着しました。所要時間は1時間39分でした。日曜日はメインゲートでの手荷物検査がありましたが、流れはスムーズでした。

日曜日復路

決勝レース1周目のクラッシュによるタイヤバリア修復作業で長時間赤旗中断があったため、ほぼ2時間レースに近い終了時刻となりました。表彰式を見て16時19分にD席を離れ、土曜日の反省を活かしてB席側からぐるっと回ってGPスクエアまで戻りました。A席あたりにかなり急な登り坂があってきついですが、土曜日よりも早くGPスクエアまで抜けられました。

17時11分にバスは出発し、10分程度で駐車場を出ました。日曜日は鈴鹿インターチェンジでは入らず、東名阪自動車道と並行する新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリアまで迂回して、スマートインターチェンジから高速に入りました。そのまま鈴鹿パーキングエリアで休憩し、名古屋駅到着は19時59分でした。所要時間は2時間48分で、日曜日も往路より1時間以上余計にかかりました。

実は20時頃の新幹線を予約していたのですが、名古屋駅から荷物を預けているホテルまで往復30分かかるため、バスに乗車した時点で後の列車に変更しました。三重交通のページでは所要時間約2時間と書かれていますが、復路では3時間弱かかることを考えるとレースが波乱無く順調に進んでも結構ギリギリのラインだったかもしれません。次回は2時間レース+3時間移動くらいの余裕を持った新幹線にしようと思いました。

大混雑の名古屋駅

余談ですが、4月7日は大規模イベントの開催が重なったのか、名古屋駅構内は大変な混雑でした。とにかく人が多く、売店は全て大行列で最後尾看板が出ているほどです。東京方面の指定席は終日満席、それでも自由席に乗りたい人で窓口や券売機が大行列となっていました。改札内のスタバの注文列が改札まで伸び、改札では人がなだれ込むために乗車券の取り違えが多発、自由席も乗り切れず指定席号車の通路に乗り込むよう案内がされるなど、さながらゴールデンウィークや年末年始の様相でした。ぱっと見た感じ若い女性が多いように見えましたが、何のイベントがあったのかは分かりませんでした。あとみんな窓口や券売機に並んでないでスマートEX使えばいいのにと思いました。

サーキットEXPRESSのメリット・デメリット

サーキットEXPRESSや類似の直行バスを利用するメリット・デメリットをまとめます。

サーキットEXPRESSのメリット

まず何より確実に座って移動できることが一番のメリットです。鉄道では座れる保証はありませんし、少なからず徒歩が必要になります。その点、直行バスではP9駐車場からの徒歩のみでサーキットまでたどり着けるので、余計な体力を使わなくて済みます。

伊勢鉄道や白子駅行きシャトルバスと違って待ち時間が無く駐車場まで行けばすぐ座れるのもありがたいです。私は2023年は金曜日のみの現地観戦でしたが、金曜日でも帰りのシャトルバス列は相当な長さで、諦めて白子駅まで歩く途中に通った鈴鹿サーキット稲生駅もパンクしていました。疲れた身体で長時間立って待つのは相当しんどい(雨ならなおさら)ので、すぐに座れるのは大きなメリットです。

帰りの出発時刻が決まっていないのも良いポイントです。ホテル付きツアーのバスだと帰りの出発時刻が決まっているものもあり、レースが終わる前にサーキットを出なければならないこともあります。サーキットEXPRESSはセッション終了時刻に合わせての運行で最終便も遅めに設定してあるため、焦って駐車場まで帰る必要がありません。

サーキットEXPRESSのデメリット

デメリットとしては、一般車の渋滞に巻き込まれるということです。サーキット周辺はサーキットの駐車場の他に民間の駐車場も点在しており、それぞれから各方面に車が出ていくためデッドロックのような状態になります。バスにスムーズに乗れてもなかなか進まず、通常鈴鹿サーキットから名古屋駅まで車で移動するよりもかなり長い時間がかかります。白子駅までのシャトルバスは土日はバス専用道路となっている中勢バイパスを通るため、多少所要時間は短いかもしれません。一方の高速バスはF1関係なく道中の道路工事などによる渋滞の影響も受けるため、鉄道より時間がかかりがちです。

すぐ座れることをメリットに書きましたが、逆に長時間ずっと同じ姿勢でいないといけないことはデメリットにもなります。近鉄でも有料特急を使えばゆったり座ることができますが、バスは前の座席との距離が近く、荷物も持っているとかなり狭く感じます。歩き回って太陽光を浴び続けた身体にはバスの狭い座席はつらく、サービスエリアでの休憩時にはバキバキです。

このあたりのデメリットを踏まえると、往復8,000円という価格は高いと感じる人も多いかもしれません。3日間で24,000円になるのでその他の移動手段と比べてかなり高くなります。


というわけで今回は、名古屋駅と鈴鹿サーキットを結ぶ直行バス「サーキットEXPRESS」の特徴と実際の所要時間を見てきました。2029年まで日本GPの開催は決まっているので、来年は3日間通し券にするか節約のために金曜日券にするか迷っていますが、3日間にするなら今年は金曜朝がつらかったので木曜に前泊したいなと思いました。できれば月曜も休んでゆっくり東京へ帰りたいですが、そうなると4泊5日・・・、財布と相談です。

それではまた。

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