最近話題の誹謗中傷の意味について

こんにちは。

最近何かと誹謗中傷が話題ですね。プロレスラーの木村花さんがSNSで誹謗中傷を受けた苦痛から自殺してしまい、ネット上での誹謗中傷の法規制を強化すべきではないかという意見が多く見られるようになりました。これについてきゃりーぱみゅぱみゅさんが、

このようなツイートをしました。このツイートに対してもネット上で様々な批判、中傷、そして応援のコメントが寄せられているようです。

批判的なツイートには「きゃりーさんも安倍総理と黒川氏を誹謗中傷しましたよね?」というようなものがあります。これはきゃりーぱみゅぱみゅさんが、政府が賛否両論の検察庁法改正案を通そうとしたことに対して反対するツイートをしたことについての反応だと思われます。そもそもの法案の是非や芸能人が政治的発言をすることについてもいろいろと考えることはありますが、自分は不勉強であるうえにはっきりした意見を持たないがちなので、ここで書くのは控えます(これについて批判されるのも嫌だし)。


一連の話題を見ていて気になったのはこういった話ではなく、「誹謗中傷ってそういう意味だっけ?」ということです。個人的な理解では誹謗中傷とは根拠なく悪口を言うことだと思っていました。そういう意味ではきゃりーぱみゅぱみゅさんのツイートは(根拠の怪しい偏った資料画像を載せていたものの)安倍首相個人や黒川さん個人を中傷しているとは思えないなと思ったんです。むしろきゃりーぱみゅぱみゅさんへのツイートのほうが中傷しているような・・・。

というわけで「誹謗中傷」の意味を調べてみました。

根拠のない悪口を言いふらして、他人を傷つけること。
(小学館 大辞泉)
他人を激しく罵ること。単に他人へ対する悪口だけを指す言葉ではなく、その人の名誉を毀損するようなことを言うこと、根拠の無い悪評を流す行為などを指す。
(実用日本語表現辞典)

そもそも誹謗中傷とは「誹謗」(=そしること)と「中傷」(=根拠の無いことを言って傷つけること)を組み合わせた熟語です。Wikipediaには次のようにあります。

明確な根拠がある場合、すなわち事実を表明することで他人の悪事などを暴露し、結果的にその人の名誉を失墜させることは、誹謗ではあっても、中傷ではない
(Wikipedia)

「誹謗中傷」という言葉に対するなんとなくの自分の理解は一応合っているということがわかりました。そうなるとやはり、最近ネットで多く見るような「誹謗中傷だ」という指摘は意味が合っていない気がするなあと感じます。

ネットで調べたところ同じような指摘をしている記事を見つけました。最近の「誹謗中傷」の使われ方に疑問を覚えるのは自分だけではないようで安心しました。

言葉って面白いもので、始まりは誤用・誤読だったとしても多数が使い始めるとそれが普通になったりするものです。誹謗中傷もそれで1つの言葉として「なんかよくわからんけど否定的なことを言うこと」みたいな意味を持つようになるのかもしれません。

それではまた。

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