キングダムハーツ4の発売に向けて知っておくべきこと
こんにちは。
先日のD23でキングダムハーツ4にリメンバー・ミーのワールドが登場すること、そして2027年後半に発売されることが発表され、キングダムハーツシリーズの次なる展開が一気に近づいてきました。キングダムハーツ3ではそれまでに広げた大きな物語をまとめきれなかった印象がありますが、ここで一旦、キングダムハーツ4の発売に向けて何を知っておくべきなのか、何を押さえていたらいいのかをまとめてみようと思います。
この記事はキングダムハーツ4発売までの過去作品のネタバレを含みます。
キングダムハーツシリーズの次なる展開
「キングダムハーツ」シリーズは、スクウェア・エニックスがディズニーと組んで生まれたアクションRPGシリーズで、2002年の第1作から、ソラを主人公に、ドナルドやグーフィーとともに様々なディズニーの世界を旅する物語が描かれてきました。一方で、シリーズ全体の独自の世界観を持ち、「心」「光と闇」「正義と悪」といった大きなテーマをディズニー作品と絡めながらオリジナルストーリーで展開しています。2026年3月末時点で、シリーズの世界累計出荷・販売本数は3900万本を超えていると発表されています。
2019年にキングダムハーツ2から大きく広げてきた話を一度収束に向かわせるキングダムハーツ3が発売されましたが、古の時代が絡む新たな謎も生まれており、キングダムハーツ4はこれまで展開してきた「ダークシーカー編」から「ロストマスター編」へと移ることになります。
そして先日のD23においてキングダムハーツ4の新たなトレーラーが公開され、ディズニー&ピクサー映画「リメンバー・ミー」の世界の登場と、2027年後半の発売が発表されました。
キングダムハーツ2から3の発売には13年がかかり、次回作の発売もしばらく先だろうと予想されていましたが、キングダムハーツ ミッシングリンクの開発中止に代表されるスクウェア・エニックスの戦略変更により、思ったより早く開発は進められていたようです。シリーズのディレクターを務める野村哲也氏は発売の延期は絶対に無いと述べており、既にほとんど完成しており、同じく2027年発売予定のFF7リメイクシリーズ最新作との時期の調整を行っていることが伺えます。
そんなキングダムハーツ4をプレイするうえで、今までのシリーズのストーリーや世界観についてどこまで知っておくべきなのか、どんな話が展開していきそうなのかをまとめてみました。なお、作品ごとのストーリーや設定の解説については以下の個別ページにまとめています。こちらは発売順に後続作品のネタバレが無いように工夫していますので、順に振り返りたい場合には以下のページを参照してください。
すべての始まり――おとぎ話の時代とキーブレード戦争
はるか昔、世界が現在のように数多くの世界へ分かれる以前の「おとぎ話の時代」には、多くのキーブレード使いが存在していました。その中心となるデイブレイクタウンで弟子たちを率いていたのが、マスター・オブ・マスターです。
マスター・オブ・マスターには、イラ、アセッド、インヴィ、グウラ、アヴァという5人の弟子と、6人目の弟子ルシュがいました。彼は未来の出来事が記された「予知書」を5人へ渡し、それぞれに異なる使命を与えます。さらにルシュには、自分の「見つめる目」が埋め込まれたキーブレード「ノーネーム」を後世へ受け継ぎ、未来を見届けるという特別な使命を託しました。
5人の弟子は「予知者」としてそれぞれキーブレード使いを集め、ユニオンを結成します。しかし予知書には、世界が闇に覆われる未来とキーブレード戦争の発生が記されていました。さらに「裏切り者」の存在を示唆する記述が疑心暗鬼を生み、予知者たちとユニオンの関係は次第に崩れていきます。
やがて争いは避けられなくなり、無数のキーブレード使いが戦うキーブレード戦争が勃発。多くの使い手が倒れ、その地には無数のキーブレードが残されます。この場所こそ、後の物語で何度も重要な舞台となる「キーブレード墓場」です。
ただし、マスター・オブ・マスターは単に戦争を防げなかったわけではありませんでした。その背後では、姿を持たない13の「闇」を倒すための長大な計画が進められていました。
闇は肉体を持たないことで倒されにくい存在になっていましたが、その代わり、個としての意志を保つには強い心を持つ者を器にする必要があります。そこでマスター・オブ・マスターは、自分や弟子たちなどを利用して闇に器を与え、倒せる存在へ変えようとしていたのです。予知者たちの疑念をあえて強めたことも、闇を表へ引きずり出すための仕掛けでした。
KH4から始まる「ロストマスター篇」を考えるうえで、まず覚えておきたいのがこのマスター・オブ・マスター、ルシュ、予知者たち、13の闇です。
戦争の後に残されたもの
キーブレード戦争が起きる一方、予知者アヴァは戦争へ参加させず未来へ生き残らせるキーブレード使いたち「ダンデライオン」を集めていました。
戦争後、ダンデライオンたちは戦争の記憶を持たない状態で別のデイブレイクタウンへ移り、エフェメラ、スクルド、ヴェントゥス、ブレイン、ラーリアムの5人が新たなユニオンリーダーとなります。しかし彼らが暮らしていたのは現実のデイブレイクタウンではなく、データ上に作られた世界でした。そしてその世界にも「闇」が介入し、最終的にはデイブレイクタウンそのものが崩壊へ向かいます。
この時代から未来へ移動するために使われたのが「箱舟」です。ラーリアム、ヴェントゥス、エルレナ、ブレインらは異なる場所・時代へ送られ、後世の物語へ姿を現すことになります。ここで重要なのは、ソラたちの時代に登場する人物の中に、実はこの古代からつながっている者がいるということです。
崩壊したデイブレイクタウンではエフェメラが生き残り、後にスカラ・アド・カエルムを築いた人物、「始まりのキーブレードマスター」として伝えられます。古代のキーブレード使いたちの歴史は完全に途絶えたのではなく、形を変えて後世へ受け継がれていったのです。
そしてもう1人、時代を越えて使命を続けていたのがルシュです。彼はマスター・オブ・マスターから託されたノーネームと謎の黒い箱を後世へ運び続けます。この使命が、はるか未来のソラたちの時代まで続いていくことになります。
ゼアノートはなぜ世界を作り変えようとしたのか
長い年月が流れた後、スカラ・アド・カエルムでキーブレード使いとして学ぶことになるのが、若き日のゼアノートです。
デスティニーアイランドで育ったゼアノートは、外の世界を知るためスカラ・アド・カエルムへ渡り、エラクゥスらと修行を始めます。仲間たちとさまざまな世界を巡る中で、人間の怒り、恐怖、欲望などと「闇」の関係を目の当たりにし、やがて世界そのもののあり方へ疑問を持つようになります。
仲間を次々と失う経験を経たゼアノートは、その後の修行中にマスター・オブ・マスターとも接触します。そして世界を巡って多くの人間の心にある闇を見たことで、「現在の世界を救うためには、闇を利用してでも世界そのものを作り変える必要がある」という考えへ傾いていきました。
光を信じて世界の秩序を守ろうとするエラクゥスと、世界を一度作り変えることまで考えるゼアノート。2人はともにキーブレードマスターとなりますが、その思想は決定的に分かれていきます。
ここから始まるのが、後にソラたちを巻き込むことになるゼアノートの長い計画です。
テラ、アクア、ヴェントゥスに起きた悲劇
さらに時代が進み、エラクゥスの弟子となったテラ、アクア、ヴェントゥスは旅立ちの地で修行していました。
その一方、老いたマスター・ゼアノートはキングダムハーツへ至る特別な鍵、χブレードを完成させようとします。彼はヴェントゥスの心から闇を抜き出してヴァニタスを生み出し、純粋な光となったヴェントゥスと純粋な闇のヴァニタスを衝突させようとしていました。さらに老いた自分に代わる若い肉体としてテラにも目を付けます。
キーブレード墓場で計画は実行され、テラは身体をゼアノートに奪われます。ヴェントゥスとヴァニタスの衝突によってχブレードも一度は完成しますが、ヴェントゥス自身の抵抗によって破壊され、その心は深く傷つきました。
アクアは眠ったヴェントゥスの身体を守るため、崩壊した旅立ちの地を忘却の城へ変えます。その後、テラの身体を奪ったゼアノートと戦い、テラを救おうとした結果、自分自身が闇の世界へ取り残されてしまいます。
そして傷ついたヴェントゥスの心を受け入れたのが、まだ幼かったソラでした。ヴェントゥスの身体は忘却の城で眠り、心はソラの中で眠ることになります。
こうしてテラ、アクア、ヴェントゥスの3人はそれぞれ別の場所に取り残されます。この3人をはじめ、過去の出来事によって傷ついた人々を救うことが、後のソラの物語の大きな軸になっていきます。
ソラがキーブレードを手にした日
その約10年後、デスティニーアイランドで暮らしていたソラ、リク、カイリの運命が動き始めます。
島がハートレスによって闇に飲まれたことで3人は離ればなれになり、ソラの手にはキーブレードが現れます。ソラは王様を探すドナルド、グーフィーと出会い、リクとカイリを探しながらさまざまな世界を巡ることになります。
一方のリクは、カイリを救いたいという思いとソラへの不安をマレフィセントに利用され、次第に闇へ傾いていきます。そして最終的には「アンセム」と名乗る人物に身体を利用されてしまいます。
ホロウバスティオンでは、カイリの心がソラの中に宿っていたことが判明します。ソラはカイリを救うため自分自身の心を解放し、一度ハートレスとなりました。
この出来事は後の物語にも大きな影響を残します。
ソラがハートレスになったことで生まれたノーバディがロクサスです。また、ソラから解放されたカイリの心に関係して特殊なノーバディナミネも誕生しました。ソラ自身はカイリとの心のつながりによって人の姿へ戻りますが、この短い心の喪失から生まれた存在が、後に独立した人格と心を持つようになっていきます。
ソラたちは最終的にアンセムを倒し、キングダムハーツへ続く闇の扉を閉じます。しかしリクと王様は闇の世界側へ残り、ソラは2人を探す旅へ出ることになります。
記憶から生まれたロクサス、ナミネ、シオンの物語
その頃、ソラから生まれたロクサスはXIII機関へ迎えられ、キーブレードでハートレスを倒す任務を続けていました。
XIII機関が狙っていたのは、キーブレードによってハートレスから解放された人々の心を集め、キングダムハーツを作ることでした。ロクサスはそこでアクセル、そして14番目のメンバーとして現れた少女シオンと親しくなります。
一方、リクを探していたソラたちは「忘却の城」へ入り込み、ナミネの力によって記憶を次々と失っていきます。ナミネはソラと、ソラにつながる者たちの記憶を操作できる存在で、機関のマールーシャたちはその能力を利用してソラを支配しようとしていました。
ソラはマールーシャを倒しますが、失った本来の記憶を修復するため長い眠りにつきます。そしてナミネによる記憶の修復は、ソラと深くつながっているロクサスやシオンにも影響を与えます。
シオンはソラの記憶を利用して作られたレプリカでした。彼女の存在へ流れ込んでいた記憶をソラへ戻すため、シオンは最終的にロクサスの前から消え、人々の記憶からも忘れられてしまいます。ロクサスもXIII機関を離れますが、ソラを目覚めさせようとしていたリクに敗れ、最終的にはソラの中へ戻ることになります。
こうしてソラは約1年の眠りから目覚めます。
「アンセム」と「ゼムナス」、そしてゼアノート
目覚めたソラはXIII機関との戦いを続ける中で、これまで戦ってきた敵の正体を知ります。
かつて「アンセム」と名乗っていた敵は、本物の賢者アンセムではありませんでした。賢者アンセムの弟子となっていたゼアノートが心を失った際、そのハートレスとして生まれた存在が闇の探求者アンセム、ノーバディとして生まれた存在がXIII機関のリーダーゼムナスだったのです。
ソラとリクはゼムナスを倒します。しかし、ハートレスとノーバディの双方が倒されたことは、元の人間が再生する条件を整えることでもありました。
つまり、闇の探求者アンセムとゼムナスを倒したことで、今度はマスター・ゼアノート本人の復活が始まったのです。
同じ頃、データ化されたジミニーメモを調べた王様たちは、ロクサス、アクセル、シオン、テラ、ヴェントゥス、アクアら、ソラにつながる人々が今も「痛み」を抱えており、救われる必要があることを知ります。
13の闇と7つの光
復活したマスター・ゼアノートの最終目的は、13の闇と7つの光を衝突させてχブレードを完成させ、キングダムハーツを開くことでした。
ソラとリクは来たる戦いに備えてマスター承認試験を受け、「目覚めの力」を得ようとします。しかしゼアノートは時間移動を利用して自分につながる者たちをさまざまな時代から集め、13の器をそろえようとしていました。ソラ自身も13番目の器にされかけますが、リアの介入によって阻止されます。
この戦いに対抗するため、ソラたちは「7人の光の守護者」を集めます。
長い間闇の世界に取り残されていたアクアは救出され、忘却の城で眠っていたヴェントゥスも目覚めます。
そしてキーブレード墓場で、7人の光と真XIII機関による決戦が始まりました。
ゼアノートとの決着と、ソラが支払った代償
キーブレード墓場での最初の戦いでは、光の守護者たちはテラ=ゼアノートや大量のハートレスに敗れます。
ソラ自身も「終わりの世界」へたどり着きますが、そこで失われた仲間たちの心を取り戻し、目覚めの力によって戦いへ復帰します。この力は本来、眠った心を目覚めさせるためのものです。しかしソラは仲間を救うため、本来とは異なる使い方を繰り返していきます。
やり直された決戦では、長く離ればなれだった人々が次々と戻ってきます。テラは自分の身体を取り戻し、アクア、ヴェントゥスと再会。シオンも記憶を取り戻し、ロクサスも復活したことで、ロクサス、アクセル、シオンの3人も再びそろいます。
最後にはマスター・ゼアノートがχブレードを完成させてキングダムハーツを出現させますが、ソラたちは彼を打ち破り、キングダムハーツを閉じます。
これで、長く続いたゼアノートとの戦いには決着がつきました。
しかし戦いの中で、カイリはゼアノートによって消滅させられていました。
ソラは彼女を取り戻すため、再び目覚めの力を使用します。仲間たちの心をたどり、散らばったカイリの心の欠片を集めたことで救出には成功しますが、力を乱用した代償として、今度はソラ自身が世界から姿を消してしまいました。
ここがKH4へ直接つながる最大の転換点です。
ゼアノートの物語が終わっても、古代の物語は終わっていない
マスター・ゼアノートは倒されました。しかしその裏で、シリーズ最古の時代から続いていたもう1つの物語が動き始めます。
キーブレード戦争を生き延びたシグバールは、予知者たちの前で自分の正体を明かします。
シグバールの正体は、マスター・オブ・マスターの6人目の弟子ルシュでした。
ルシュはノーネームを後世へ継承させながら長い時代を越えて使命を続けており、さらにマスターから託された黒い箱も回収していました。そして彼のもとには、おとぎ話の時代から姿を消していた予知者たちが再び集まります。
つまりKH3の終わりで、マスター・ゼアノートを中心とした物語は完結した一方、はるか昔のマスター・オブ・マスター、ルシュ、予知者、13の闇をめぐる物語が現在へ追いついたことになります。
KH4が「ロストマスター篇」の始まりとされている理由も、この流れを踏まえると見えやすくなります。
ソラはどこへ消えたのか――クァッドラトゥムへの道
姿を消したソラを探すため、仲間たちはそれぞれ調査を始めます。
その中で重要な手がかりをつかむのがカイリです。自分の心を調べるため深い眠りについたカイリは、幼い頃の記憶へたどり着きます。
幼いカイリをレイディアントガーデンから別の世界へ送り出していたのはゼアノートでした。そしてゼアノートはその際、光の世界でも闇の世界でもない「裏側の世界」について語っていました。賢者アンセムは、この言葉からソラが現実とは異なる「虚構の世界」にいる可能性を考えます。
さらに、リクが夢の中で繰り返し見ていた高層ビルの街と、終わりの世界にいる「名もなき星」の記憶が結びつき、その場所がクァッドラトゥムと呼ばれていることが判明します。
リクは名もなき星とのつながりを利用して、ソラを追ってクァッドラトゥムへ向かいました。カイリはアクアのもとで修行を続け、王様は古のキーブレード使いたちと新たに判明した世界との関係を調査することになります。
そして現時点で公開されているKH4の映像から見るに、まさにそのクァッドラトゥムで目を覚ましたソラから物語が始まることになりそうです。
キングダムハーツ4までの物語をまとめると
KH4へ至るこれまでの物語を大きく捉えると、キングダムハーツシリーズは「ソラとゼアノートの戦い」だけを描いてきたわけではありません。
はるか昔、マスター・オブ・マスターが13の闇を倒すために計画を開始し、ルシュへ未来を見届ける使命を託しました。キーブレード戦争によって古い時代が終わった後も、その歴史はエフェメラが築いたスカラ・アド・カエルムや、未来へ渡ったキーブレード使いたちを通じて後世へ残されました。
その長い歴史の中でゼアノートが生まれ、キングダムハーツを利用して世界を作り変えようとします。ソラたちは数々の犠牲を払いながらその計画を阻止し、テラ、アクア、ヴェントゥス、ロクサス、シオンたちも救い出しました。
しかし最後にカイリを救ったことで、今度はソラ自身が世界から消えてしまいます。
そしてゼアノートがいなくなった世界には、マスター・オブ・マスターの弟子ルシュと予知者たちが戻ってきました。ソラは光の世界でも闇の世界でもないクァッドラトゥムで目を覚まし、リクはその後を追っています。
ここまで続いてきた数多くの物語が、ようやく「おとぎ話の時代」と現在を直接結び始めた――それがKH4直前の状況です。
KH4では、ソラがどのように元の世界へ帰るのか、そして「ロストマスター篇」がシリーズ最古の謎にどのような答えを示すのかといった、シリーズの最も古い謎と最新の物語が本格的に交差する作品になりそうです。
というわけで、ここまでKH4に繋がる物語や設定をまとめてきました。ディレクターや関係者の話から伝わってくるように、もう既に完成に近い状態まで開発が進んでおり、2027年後半の発売時期を調整している段階だと思われます。KH3のプロモーションなどを踏まえると、これから少なくとも2ヶ月に1回は何かしらの新情報を目にすることができるのではないでしょうか。本当に楽しみです。
それではまた。