Google AdSenseで税務情報の提出を求められた際にやること(シンガポールの例)

こんにちは。

当サイトではGoogle AdSenseGoogleアドセンス)を用いて広告枠を設置しています。そのGoogle AdSenseの管理画面に、シンガポールの税務情報の提出を求めるメッセージが表示されていることに気づきました。シンガポールは行ったこともないので心当たりは特にありませんでしたが、表示理由とこのメッセージが表示された際の対応方法を紹介します。

Google AdSenseを用いた広告の設置

当サイトでは、ページ上部・下部や記事下部に広告枠を設置しています。広告をユーザーが見たりクリックしたりすることで発生する収益をサイトの運営経費に使っています(とても賄いきれるような収益ではありませんが)。広告配信サービスはGoogle AdSenseを利用しています。

シンガポールの税務情報の提出を求められる

あるときたまたまGoogle AdSenseの管理画面を開いたところ、シンガポールの税務情報の提出を求める以下のメッセージが表示されていることに気づきました。

お支払いが遅れることなく、税金の源泉徴収も適切に行われるようにするために、できる限り早急にシンガポールの税務情報をご提出ください。
シンガポールの税務情報の提出を求めるメッセージが表示されたGoogle AdSense管理画面
お支払い情報画面の上部に大きく表示されている

私はシンガポールに行ったことはなく、普通の会社員として仕事をしながら趣味で個人サイトを運営しているので、全く心当たりはありませんでした。ただ、収益が支払い基準額の8,000円を超えていたので、次回の支払いのタイミングを前に表示されたのかなと推測しています。

メッセージが表示される理由

Google AdSenseによって発生した収益をGoogleから受け取る場合、支払いを行うGoogleの拠点がある国の税法が適用されます。つまり、その国の税法に基づいて源泉徴収が行われた額が振り込まれることになります。Google公式のヘルプページによれば、アイルランド、シンガポール、米国(アメリカ)のいずれかの国に拠点があるGoogle事業体を通じた支払いで、税務情報が必要になるということです。Googleが源泉徴収の税率を判断し、源泉徴収が正しく行われているかをその国で証明するために、収益を受け取る人の税務情報が必要になるというわけです。

今まではこのようなメッセージは表示されていなかったので、税務情報が必要となる国以外からの支払いだったのかもしれません。もしくは米国からの支払いであれば税務情報が無くても規定の税率で源泉徴収が行われるようなので、今まで多めに源泉徴収されていた可能性があります。

税務情報を提出しないとどうなるのか

私は今まで普通に収益を受け取ることができていたため、税務情報を何も提出していなくても直ちに収益を受け取れなくなることはないと思われます。ただし、国によっては必ず税務情報を提出しなければならない可能性があり、その場合は税務情報を提出しないと収益が受け取れなくなるのではないかと思います。

軽く調べたところ、税務情報の提出手続きの途中で不承認となった場合に支払いが行われない人もいたので、シンガポールは必ず提出しないといけない国かもしれません。

租税条約について

日本は多くの国と租税条約を締結しており、脱税を防止したり二重課税が起きないようにしたりしています。今回問題となっているシンガポールに関しても日本と租税条約を締結しています。そのため、広告収益の受け取りにより発生する所得税が両国間で二重課税とならないよう調整されており、源泉徴収の際の税率が変わってくるものと思われます。

税務情報を提出する方法

というわけで、実際に税務情報の提出を行いました。手順を紹介します。

「税務情報の追加」ボタンを押すと、シンガポールの税務情報の入力画面に遷移します。

シンガポールの税務情報の入力画面
上から入力していく

「企業情報」とありますが、個人で運営しているサイトのためその前提で入力します。業種は「個人の運営者」、シンガポールでは事業を行っていないため恒久的施設は所有していない(=「いいえ」)、同様に物品サービス税(GST)にも登録していない(=「いいえ」)、と入力します。

シンガポールの税務情報入力画面の続き
このあたりから内容がややこしくなる

続いて自身が免税対象かどうかですが、前述の通りシンガポールと日本は租税条約で二重課税が起こらないような取り決めがされているため、「はい」を選択します。「税法上の居住地」については、自身が日本の税法に基づきシンガポールで発生した収益の免税対象であることを確認できる書類を提出します。私はマイナンバーカードをスキャンした画像データをアップロードしました。そのためドキュメントの種類は「その他の書類」としています。

以上で入力は完了です。

税法上の居住地証明はマイナンバーカードではダメかも

今回の登録でシンガポールの税務情報は「承認済み」ステータスとなりましたが、税法上の居住地に関しては審査中となっています。Google AdSenseの収益の支払いはその後受けることができたため、シンガポールの税務情報の登録には問題ありませんでした。一方で税法上の居住地証明に関してはマイナンバーカードでは承認されなかったという声も見かけました。

税法上の居住地証明が審査中であることを示す表示
審査には最長で7営業日ほどかかるとのこと

私はまだ審査中のステータスであるため今後承認される可能性もありますが、もし承認されなかった場合はより信頼度の高い、必要な情報が不足していない証明書を提出する必要があります。なお、Google公式ヘルプによれば、シンガポールで税法上の居住地を証明できる書類は「現地の政府機関が発行した税法上の居住地の証明書」とされています。これは恐らく税務署で発行できる「居住者証明書」だと思われます。

わが国と租税条約を締結している国等において、わが国の居住者が租税条約に基づく租税の減免等を受けるため、租税条約の相手国等の権限ある当局に対して、わが国の居住者証明書を提出する必要が生じたときは、所轄の税務署で証明請求を行うことができます。

とある通り、これが最も適切な証明書になると思います。最寄りの税務署に行くか郵送で請求できるということです。面倒な作業にはなってしまうのでマイナンバーカードで承認されてほしいですね。


というわけで今回は、Google AdSenseへの税務情報の提出について紹介しました。お金が欲しくてサイトを運営しているわけではありませんが、やはりお金を受け取るということにはそれなりの手続きが必要だということですね。

それではまた。

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