こんにちは。
SEKAI NO OWARI(セカオワ)が1月から開催している全国ファンクラブツアー「Fafrotskies ~The Fan~」の東京公演に行ってきました。長年のファンなら色々思い出して懐かしくなる、しかし最近好きになったファンでも十分楽しめる面白いライブでした。写真撮影ができないライブのためざっくりとした紹介になってしまいますが、セットリストを交えながら振り返ります。
こんにちは。
SEKAI NO OWARI(セカオワ)が1月から開催している全国ファンクラブツアー「Fafrotskies ~The Fan~」の東京公演に行ってきました。長年のファンなら色々思い出して懐かしくなる、しかし最近好きになったファンでも十分楽しめる面白いライブでした。写真撮影ができないライブのためざっくりとした紹介になってしまいますが、セットリストを交えながら振り返ります。
セカオワがファンクラブツアーを行ったのは今回が2回目になります。前回は2018年11月から12箇所14公演のツアーでした。このツアーの名前も「Fafrotskies(ファフロツキーズ)」。今回は同じ名前に「The Fan」という副題が付いた形になります。
前回のファンクラブツアーでは、DJ LOVEがドラムを担当しました。なかなか普段のライブでは披露されない楽曲も聞けるのがファンクラブツアーの嬉しいところです。前回の珍しい枠は「Silent Night」ですかね。開演前と終演後に会場でスキータ・デイヴィスの「この世の果てまで(The End of the World)」が流れていたのも印象的でした。この曲は会場で聞くまで知らなかったのですが、すぐ調べましたね。
今回は14箇所20公演となり、公演数が増えました。前回は首都圏ではパシフィコ横浜の2公演だけでしたが、今回はパシフィコ横浜2公演と東京ドームシティホール3公演の合計5公演となり、首都圏住みとしては行けるチャンスが増えて嬉しかったです。今回私が行ったのは3回の東京公演の初日でした。
というわけで、早速ファンクラブツアー「Fafrotskies ~The Fan~」のセットリストです。ここまで全公演で同じセットリストになっているようです。
最近ライブでやっていなかった曲や、そもそもライブで演奏されること自体が少ない曲が目白押しです。
ライブはメンバー4人が椅子に縛り付けられているところから始まりました。「ベッドで寝たはずなのに・・・」と言うメンバーたちはパジャマ姿です。犯人はファンを名乗る男(天の声)で、テレビで犯罪グループの元幹部みたいな人がインタビューされているときのように声が加工されています。メンバーの首には電流が流れる首輪が着けられており、ファンの言うことを聞かないと電流を流すと脅されます(DJ LOVEがデモンストレーションの餌食にされのたうち回っていました)。
今回メンバーはこの設定に基づいて演技に挑戦していました。シリアスな雰囲気ではなくセリフも面白おかしい感じで、たびたび笑いが起きるような感じでした。メンバーも楽しそうにやっていたと思います。Twilight Cityでの棒読み演技や、タルカスのBlu-rayの副音声で動物たちのナレーションをメンバーでやっていたのを思い出しました。ちなみにこのコンセプトはFukase発案で、Saoriは演技したくないと猛反対したそうですが、珍しくNakajinが演出にこだわりSaoriを説得したことで実現したそうです。大型ライブではできない演出でファンクラブツアーにぴったりでした。
ファンの要求はライブをやることでした。しかしただライブをやればいいというわけではありません。最初の曲「青い太陽」はそもそもが久々の披露になりますが、ファンは2010年に行われた「ap bank fes '10」に出演した際の再現をするよう要求。Saori以外のメンバーは一度ステージから捌け、Saoriのピアノイントロとともに再び登場、Fukaseの「はじめまして、世界の終わりといいます」という言葉で曲がスタートしました。私がセカオワを好きになったのはメジャーデビュー後の2011年のことなので当時は全く知らなかったのですが、当時の映像をYouTubeで見たことはありました。当時その場所にいたファンもまだいるでしょうか。
7曲目の「陽炎」は、2021年リリースのアルバム「scent of memory」に収録された、Saoriが作詞作曲、そしてメインボーカルを務める楽曲です。その後シングル「Habit」のカップリングとしてFukaseバージョンも収録され、2バージョンの陽炎が存在しています。
ファンはSaoriとFukase一緒に歌うことを要求しました。Saoriは男女でキーが合わないことを理由に渋りますが、ファンは転調すれば問題ないと具体的なコードを使って説得。1番と2番の間奏で転調する形でSaoriとFukaseが一緒に歌いました。SaoriパートのサビでFukaseが1オクターブ下で合わせているのが良かったです。
8曲目には「MAGIC」が披露されました。この曲は、今回のツアーに向けて事前に募集されていた「今、SEKAI NO OWARIで好きな楽曲」といういわばファン投票で1位だったようです。HAWAIIAN6のMAGICのカバーという形でリリースされた楽曲ですが、歌詞はおろかサビのメロディーまで原曲と変わっているとあって、原曲へのリスペクトが感じられないと当時は炎上したものでした。しかし、2016年の全国ツアー「The Dinner」で初めて披露されて以降ライブでの人気曲となり、今では誰もが演奏を待ち望む楽曲となっています。
ファンは箱推しなので、Nakajinの歌も聞きたいと言います。Nakajinが歌ったのは前回のファンクラブツアー以来の演奏となる「TONIGHT」でした。この曲もなかなか大きいライブではやりにくい曲ではあるので、こういう場で披露してくれるのは嬉しいですね。
こうなると残るはDJ LOVEです。ファンはDJ LOVEにも歌うよう迫ります。DJ LOVEはSEKAI NO OWARIとしての楽曲でメインボーカルを担当しているものはありませんが、2015年のTwilight Cityで「逆襲のピエロ」といういわばネタ曲を披露したことがありました。ライブのたびにメンバーの勝手なアイデアで色々やらされることに対して、俺は頼まれてやってるだけだったからそろそろ好きなことをやらせてもらうよ、という曲をまた歌わされているというなんとも皮肉な楽曲です。
抵抗するDJ LOVEに対し、ファンは「本名を公開するか歌うか」という条件を突きつけます。本名が公開されると子どもがいじめられてしまうと危惧したDJ LOVEは条件を受け入れ、パジャマ姿でデスボを披露したのでした。
「インスタントラジオ」がアンコールの最後の曲ではなくなったのはいつからでしょうか。DJ LOVEソロ、銀テープ、そしてNakajinソロでライブを終えるというセカオワの定番は大きなライブでは2017年のタルカスが最後です。本編の最後の曲という形でしたが、歓声も大きくファンはインスタントラジオを望んでいるなあというのが伝わってきました。
本編が終わると客席のファンたちはすぐに「スターライトパレード」を歌い始めました。サビの
Welcome to the "STARLIGHT PARADE"
星が降る眠れない夜に
もう一度連れて行ってあの世界へ
というフレーズをひたすら繰り返し、アンコール再登場を待つのです。新型コロナウイルス感染症対策によりライブ中の声出しができない状態だったので、ここ数年アンコールは普通に手拍子で行われていました。今回はマスクを着用すれば声出しOKというルールに緩和されたため、定番のアンコールが帰ってきたというわけです。
これは思い出話ですが、2015年のTwilight Cityでは日産スタジアムのキャパが当時のバンドの人気としては流石に大きすぎたのか、自然と手拍子でのアンコールが起きたことを覚えています。そもそも会場が広すぎて各所で発生したスターライトパレードが反響などでさらにぐちゃぐちゃになるという大変な感じでしたが、その中で手拍子が広がっていったのはスターライトパレードを歌う文化を知らない人がたくさん来てくれているんだとファン層の拡大を実感し嬉しい気持ちになったのを思い出しました。
話をThe Fanに戻しますが、何度もサビ部分を繰り返していると、天の声のファンが「なかなか出てこないなあ」というようなことを言って笑いを誘いました。本編終了からアンコールまでの間は1回休んでほしいですし、着替えもあるのでそんなにすぐに出てこれないのは分かっていますが、それでも催促してしまうのがファンというものです。初期のスターライトパレードのアンコールでは「せーの」と合図をして揃えて歌い始める文化がありましたが、今回は途中で天の声がそれをやりました。アンコール準備中も演出で楽しませてくれるのは流石ですね。
アンコールで披露されたのは、ファン投票2位の「アースチャイルド」でした。メンバーたちはタイアップも無く10年前のシングルのカップリングでしかないこの曲が2位になることに驚いていましたが、2013年、2014年と連続で富士急ハイランドで行ったライブ以来演奏されていないので、確かにファンの期待は高まっていたんだと思います。アップテンポの曲で最高潮の盛り上がりを見せライブは終了しました。
SEKAI NO OWARIのライブはそれぞれコンセプトがしっかりとあり、それに沿った演出や楽曲になっていることが多いです。メンバー自身もその世界観を構成する1要素として動きます。今回のライブは、とある熱心な古参ファンによって捕らえられ、その他多くのファンの前でファンの望むライブをやらなければ解放されない、という設定でした。メンバーもしっかり台本のある演技をし、大げさではありますがさながら演劇のステージのようでした。
とは言うものの、普段のライブと比べると緩い雰囲気になるのがファンクラブツアーの良いところです。途中のMCで台本に無い話をしているときは、「設定」というワードが何度も出てきました。突然ファンに捕らえられ、初めてパジャマのままライブをやっているという設定ですが、実際のところ18公演目なわけで、これまでの公演であったことを話しては「いや初めてなんだけどね」と設定を守る発言をするという楽しい雰囲気でした。
アンコールまで全て終了したあと、メンバーは最初の椅子が置いてあったあたりに移動していきますが、そこで「なんだこれ、眠くなってきた」と椅子に座って眠ってしまうのでした。散々「初めての設定なんだから」「明日もあるんだし」などと話して設定を適当に扱っていたのに、最後はこうやって明日以降の公演の設定に繋がっていくんだとちょっと鳥肌でした。こういうメタ発言のようなものはどんな作品でもやり過ぎると残念な感じになりがちですが、最後にこうやって設定を取り戻すことで演出としても締まった感じになって非常に楽しめました。この記事を書いている時点では最終公演も終わっていますが、最終日も同じような演出だったのでしょうか?
2011年の武道館公演で開演前のアナウンスを担当した「OMC-1」というロボットが、最後に登場しました。恐らくその後のツアー以来使われていなかったロボットですが、古参ファンの正体はこのOMC-1だったというわけです。流石にここでは歓声と驚きの悲鳴が聞こえました。当時は山寺宏一が声を当てていたので驚きでしたが、OMC-1が天の声の正体ならメンバーやバンドについて色々細かい情報を知っていても納得です。
仕方のないことだと思いますが、年々ライブでの披露時にキー下げをする楽曲が増えてきています。直近だとRPG、silent、スターライトパレードなんかがそうです。silentなんてつい最近の曲じゃないかと思ってしまいますが、高音が出ないよりは安定して歌えるほうを選んでいるのだと思います。とはいえキーが変わると曲から受ける印象は結構変わってしまうので、正直なところキーを下げた楽曲はあまり好きではないです。
今回のファンクラブツアーで披露された楽曲は、全て原曲キーでした。これまでのMCやオーディオコメンタリーでもFukaseが「高くて苦手」と言っていた「yume」「アースチャイルド」といった楽曲を原曲キーでやってくれたのは非常に嬉しかったです。Du Gara Di Duのときよりも喉の調子も良さそうでした。
上では書きませんでしたが、12曲目の「family」がなかなか良かったです。Fukaseの妹2人がボーカルに加わった楽曲ですが、今回はFukase1人での歌唱でした。陽炎と同じで男女でキーを変える楽曲ですが、今回はFukaseだけだったのでずっと同じキーでした。妹パートのところもFukaseの歌声が聞けたのが嬉しかったですね。こういう静かな曲はFukaseの透き通った歌声の本領発揮という感じで好きです。個人的には今回のライブではfamilyが一番良かったかもしれません。
ちなみに東京公演の2日目と3日目(最終公演)では、妹2人が登場し3人で歌ったそうです。それはそれでかなりレアなことなので目撃できなかったのは残念ではありますが、1人で歌う「にいにい」も良かったので良しとしましょう。
開演前に配布された紙でファンからの質問が募集され、曲間でそれに答える場面がありました。「Nakajinのアフロヘアーはシャンプーに何分かかるのか」「DJ LOVEのラーメン二郎のコールを教えてください」など結構くだらない質問が多く、なかなか面白かったです(こういうほうが好きです)。
ラジオのセットを用意しての「CHAN'T SLEEP FANTASY NIGHT」も行われ、「親知らずを抜くのが怖いので怖さを克服する方法を知りたい」という質問にもかかわらず、みんなで親知らずの抜歯の怖さについて話して逆に怖がらせてしまうという場面もありました。こういうのは台本が無く公演ごとに内容が変わってくるので、実際に行くからこそ楽しめる感じが良いですよね。
今回行ったのは東京ドームシティホール(TOKYO DOME CITY HALL)でした。ここはキャパが3000人ほどで、横長のホールになっているためステージとの距離が非常に近いです。今回私は1階バルコニー席の最後列でしたが、それでも十分手が届きそうに感じる距離でした。アリーナ席は前方であればかなりメンバーとの距離が近く良い体験になったと思いますが、完全に平面のため後方では前の人に重なって見えにくいかもしれません。そういう意味ではバルコニー席のほうがよく見えて良かったと思います。スクリーンも無いため肉眼でしっかりと楽しめました。
ここ最近のライブでは、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、国や自治体の基準に則ったルールが設けられてきました。今回はツアーの途中でルールが緩和され、マスクを着用していれば声出しに制限は無くなりました。以前もどこかで書きましたが、私は曲終わりやMCの静かなタイミングでメンバーの名前を叫んだりガヤを入れたりするような人が好きではありません。それでも、恒例のFukaseの「歌える?」で観客が歌ったり、インスタントラジオのサビ前の「ハイハイハイハイ」という掛け声が帰ってきたのは嬉しかったです。MCでのFukaseだけ結婚できていない話で男性の声で「結婚してください!」が響いたときはちょっと面白かったです(Fukaseもうろたえてました)。小さい会場ならではのファンとの距離が近い雰囲気でした。
最終公演で次のツアーが発表されました。SEKAI NO OWARI ZEPP TOUR 2023「Terminal」で、ZEPP TOUR 2012 「ENTERTAINMENT」以来11年ぶりのライブハウスツアーとなります。
キャパの小さい会場で15公演かつ今回はファンクラブ以外も対象ということで、倍率は相当高いんじゃないかと思います。個人的にはわちゃわちゃ楽しむ雰囲気にはついていけず落ち着いて聞きたいタイプなので、もし1階席が座席無しのスタンディングだったら今回はスルーかなと思っています(2014年の「炎と森のカーニバル-スターランド編-」がアリーナ席であまり良い思いをしませんでした)。続報を待ちましょう。
というわけで今回は、2023年3月29日に行われたSEKAI NO OWARIのファンクラブツアー「Fafrotskies ~The Fan~」東京公演のレポートでした。次回はライブハウスツアーということで規模の小さめなライブとなりますが、大型ライブも今から楽しみです。
それではまた。