【改悪】モバイルPASMOでグリーン車に乗ると割高に【実質値上げ】

こんにちは。

12月15日に鉄道各社が来年3月のダイヤ改正の概要を発表しました。ダイヤ改正は関連するサービスの内容変更が行われやすいタイミングでもあり、JR東日本が普通列車グリーン車の価格体系の変更を発表しています。短距離利用者やSuica利用者には良い変更ですが、モバイルPASMOでグリーン車に乗る人にとっては改悪となりました。モバイルPASMO利用者がどういった影響を受けるのか紹介します。

普通列車グリーン車はSuicaが便利

JR東日本の比較的長距離を走る路線には普通列車グリーン車が連結されており、少し料金を上乗せすることで2階建て車両に乗ることができます。進行方向向きの快適な座席で、最新のE235系のグリーン車座席にはコンセントも設置されており、有料特急と通勤電車の中間といった位置づけです。

座席は自由席のため、近年大手私鉄が導入を進めている座席指定制有料車両とは違い乗っても座れない可能性があります。一方で事前の予約が不要なため、直前で乗りたくなってもすぐ乗れるメリットもあります。カードタイプのSuicaやモバイルSuica(Apple PayのSuica含む)があれば、ホーム上の券売機やアプリでグリーン券を購入することで支払いが完了し、乗車後に座席上部のICカードリーダーにかざせばアテンダントによる検札(車内改札)もありません。この仕組みをグリーン券Suicaシステムといい、Suicaによってグリーン車はかなり利用しやすくなっていると思います。

モバイルPASMOでは利用しにくい

そんなグリーン車はモバイルPASMOでは利用しにくくなっています。グリーン車に乗るには本来磁気グリーン券というきっぷが必要であり、改札外の券売機で購入しなければなりません。それをICカードであればホームの券売機で、モバイルSuicaであればアプリ上で購入できるようしているのがグリーン券Suicaシステムというチケットレスサービスというわけです。しかしモバイルPASMOアプリではグリーン券を購入することはできません。PASMOはJR東日本のサービスではないので当然といえば当然なのですが、PASMO始め多くの交通系ICカードがモバイルアプリ含めSuicaと相互利用可能であることを考えると思わぬ盲点です。

というわけでモバイルPASMO利用者がグリーン車に乗るには、乗車する駅で一度改札外に出なければなりません。モバイルPASMOでグリーン車に乗る方法は過去に以下の記事で紹介しました。

グリーン車の料金体系の変更

例年12月中旬になると鉄道各社が翌年3月のダイヤ改正の概要を発表します。新型コロナウイルス感染症収束とは言わずとも少なからずコロナ禍以前の生活に戻りつつあり、鉄道の利用者も増えてきています。ここ数年減便ばかりのダイヤ改正が続いていましたが、今年は増発の発表が多くいよいよ鉄道需要が戻ってきたと感じます。

ダイヤ改正と同じタイミングで発表されることが多いのが、鉄道関連サービスの内容変更です。その中で今年は普通列車グリーン車の料金体系の変更が発表されました。

主な内容は以下の通りです。

  • 購入区分が「事前料金」「車内料金」から「Suicaグリーン料金」「通常料金」へ変更
  • 「平日料金」「ホリデー料金」といった利用日による料金体系を取りやめ、全日同額に変更
  • 営業キロ50キロまでの料金を下げる一方で、101キロ以上の料金帯を新設

全体的に見て料金体系をシンプルにする変更だと思います。平日の通勤でそれなりの距離乗っていた人にとっては何も変わらず、短い距離でも乗っていた人にとっては少し値下げになりました。休日に乗っていた人にとっては結構な値上げです。

問題は購入区分の変更です。従来は乗車後にアテンダントからグリーン券を購入した場合の上乗せ料金「車内料金」がありましたが、チケットレス推進のためSuicaグリーン券か磁気グリーン券かという区別に変わりました。つまり、Suicaグリーン券でないと従来の車内料金と同じ扱いになり、割高になってしまうのです。

これはモバイルPASMO利用者にとっては大問題です。前述の通りモバイルPASMOではSuicaグリーン券を購入できず、改札外の券売機かみどりの窓口で磁気グリーン券(きっぷ)を購入する必要があります。つまり強制的に通常料金という名の上乗せ料金になってしまいます

カードタイプのSuicaは発行中止中

とはいえJR東日本が自社製品を優遇するのは当たり前で、むしろJR東日本という1企業の製品があらゆる場所で使える社会インフラ的な電子マネーになっている現状をありがたく思わないといけないと思います。楽にお得にグリーン車を利用したければSuicaを発行すればいいのです。モバイルPASMOとモバイルSuicaを同じスマホに共存させるのは上手くいくか不安だし、仕方ないからカードタイプのSuicaを発行するか・・・。

というところに罠があるのですが、現在カードタイプのSuicaは半導体不足の影響で新規発行を中止しています。ちなみにこれはPASMOも同様です。今からSuicaを持とうと思ったらほぼモバイルSuica一択になります。大人しく両方インストールして上手く切り替えながら使いましょう。


というわけで今回は、JR東日本普通列車グリーン車の料金体系変更により、モバイルPASMOでのグリーン車利用がより難しくなったという話でした。大袈裟に書きましたが実はそんなにグリーン車に乗る機会は無いので、そこまで影響は無いというのが正直なところです。

それではまた。

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