だからといって現在の情勢で簡単に開催できるということはありません。国によっては経済活動が停止していたり、大規模イベントの開催は認められていなかったりします。F1グランプリというのは1レースに約2000人のチーム・運営スタッフが参加するそうです。そこに数万人の観客、メディアが加わるわけですから、とても今の状況では開催できません。無観客にするにしても多くの人間がヨーロッパの国々、またアジアやアメリカ大陸などを転戦するわけです。現状では開催は難しいと言わざるをえません。
本来の2020年F1シーズンのスケジュールを確認しておきます。
既に全22戦中10戦の中止や延期が決まっています。こういったものは早く決断するほうが影響が小さく抑えられるので、前日に中止が決まったオーストラリアGPを除いて賢明な判断だといえます。一方で現時点で開催を諦めていないのが第11戦オーストリアGPと第12戦イギリスGPです。どちらのグランプリもやるとしても無観客で行うことを発表していますが、レッドブル所有のサーキットで行うオーストリアGPは2週連続開催も可能としています。
F1公式も7月5日のオーストリアGPでの開幕を目指していることを明かしています。12月のアブダビGPまでに15~18レースを行うことを目標としているそうです。10月の日本GPは開催することができるのでしょうか。
個人的には好きなF1を見ることができるようになるため2020年中のシーズン開幕は大歓迎です。レッドブル・ホンダにも期待していますし。一方で多くの人間が一度に移動すること、開催するだけでも大変な負担が自治体や警察等にかかること、通常通り開催することは不可能であることが確定していることなどを考えると、無理して18レースもやらなくてもいいような気がしています。ただやるかやらないかという話ではない複雑な事情があるのは理解していますが、F1が「こんな状況なのにのんきに娯楽をやっている」という印象を持たれないような運営をお願いしたいです。むしろ東日本大震災があった2011年の日本GPのような、今だからこそスポーツで盛り上げようというような雰囲気になるといいなあと思っています。
それではまた。