F1チームの呼び名
F1に参戦しているチームを呼ぶ際、参加者(エントラント)としての名前とコンストラクター(車体製造者)としての名前を使い分ける場合があります。一方で、現在のF1では各チームが自分たちで車体(シャシー)を製造することが決まりとなっており、実質チーム=コンストラクターとなっています。
中継映像では各ドライバーの所属はコンストラクター名で表示される場合が多いですが、チーム名とほぼ一致するため大きな問題にはなりません。
各チームの名称の変遷
それでは2024年シーズンに参戦する10チームの名称の一覧です。私がF1を見始めた2007年以降のチーム名を新しい順に並べています。なお、「F1 Team」「Formula 1 Team」「Formula One Team」はエントリーリストでは「F1 Team」と記載されることが多くはっきり区別されていないため、ここでは「F1 Team」に統一しています。
レッドブル
- 2022年~2024年
- 2021年
- 2017年~2020年
- Aston Martin Red Bull Racing
- 2016年
- 2013年~2015年
- 2007年~2012年
現在F1チームを所有しているアストンマーティンは、元々レッドブル・レーシングのタイトルスポンサーでした。2022年からはオラクルがタイトルスポンサーとなっています。
メルセデス/ブラウンGP/ホンダ
- 2020年~2024年
- Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team
- 2017年~2019年
- Mercedes AMG PETRONAS Motorsport
- 2012年~2016年
- Mercedes AMG PETRONAS F1 Team
- 2010年~2011年
- Mercedes GP PETRONAS F1 Team
- 2009年
- 2007年~2008年
コンストラクター名はメルセデスですが、チームとしては2012年から「メルセデスAMG」の名称で参戦しています。ホンダ撤退からブラウンGPを経た歴史も興味深いです。
フェラーリ
- 2022年~2024年
- 2021年
- Scuderia Ferrari Mission Winnow
- 2020年
- 2019年
- Scuderia Ferrari Mission Winnow
- 2011年~2018年
- 2007年~2010年
- Scuderia Ferrari Marlboro
かつてはタバコブランドのマールボロをチーム名に冠していましたが、タバコ広告規制によりスクーデリア・フェラーリというシンプルな名前になりました。一時期マールボロを販売するフィリップモリスが推進するコンセプト「Mission Winnow」をチーム名と車体に冠したこともありますが、マールボロを連想させるロゴが問題となりシンプルなチーム名に戻っています。
マクラーレン
- 2018年~2024年
- 2016年~2017年
- 2015年
- 2014年
- 2007年~2013年
- Vodafone McLaren Mercedes
マクラーレンはエンジンメーカーの名前をチーム名に含める傾向がありましたが、ホンダとの関係解消以降は単にマクラーレンF1チームという名称で参戦しています。
アストンマーティン/レーシングポイント/フォースインディア/スパイカー
- 2024年
- Aston Martin Aramco F1 Team
- 2022年~2023年
- Aston Martin Aramco Cognizant F1 Team
- 2021年
- Aston Martin Cognizant F1 Team
- 2020年
- 2019年
- SportPesa Racing Point F1 Team
- 2018年途中
- Racing Point Force India F1 Team
- 2012年~2018年当初
- Sahara Force India F1 Team
- 2008年~2011年
- 2007年
- Etihad Aldar Spyker F1 Team
近年で最もチーム運営がバタバタしたチームと言えるアストンマーティン。シーズン途中にチーム運営主体がレーシングポイントに変更となる以前は長くフォースインディアの名称で参戦していましたが、それ以前はスパイカーでした。
アルピーヌ/ルノー/ロータス
- 2022年~2024年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2016年~2018年
- 2012年~2015年
- 2011年
- 2009年~2010年
- 2007年~2008年
ルノーのスポーツカーブランド「アルピーヌ」を冠するチームですが、実体は2000年代のルノーから変わっていません。一時期はロータスの名称でメルセデスエンジンを搭載する時期もありましたが、チームのファクトリーはずっと引き継がれています。
ウィリアムズ
- 2020年~2024年
- 2019年
- 2014年~2018年
- 2012年~2013年
- 2010年~2011年
- 2009年
- 2007年~2008年
フェラーリと並ぶ伝統のチームで、近年はウィリアムズ・レーシングというシンプルな名称が続いています。
RB/アルファタウリ/トロロッソ
- 2024年
- 2022年~2023年
- 2020年~2021年
- Scuderia AlphaTauri Honda
- 2018年~2019年
- Red Bull Toro Rosso Honda
- 2007年~2017年
この記事を書くきっかけとなったRB・F1チームです。頭文字を取って「V-CARB」と呼ぶ動きも見られますが、スポンサー名でチームを呼ぶことはあまり多くなくF1公式サイトでは「RB」表記になっています。レッドブルのファッションブランドの宣伝のためアルファタウリに改称する前は、ずっとトロロッソの名称でした。
ステーク/アルファロメオ/ザウバー/BMW
- 2024年
- Stake F1 Team Kick Sauber
- 2023年
- 2022年
- 2020年~2021年
- 2019年
- 2018年
- Alfa Romeo Sauber F1 Team
- 2011年~2017年
- 2007年~2010年
一度BMWが完全にオーナーとなった期間を除いてチームの実体はずっとザウバーですが、オーナーはBMWからアルファロメオへと受け継がれ、2024年はステークとして参戦します。ステークはオンライン賭博サービスのため、賭博広告が禁止されている国でのレースを考慮してか、コンストラクター名はキックザウバーとなっています。
ハース
- 2023年~2024年
- 2022年
- 2021年
- 2016年~2020年
2016年から参戦したハースですが、リッチエナジー(期間が短かったため上には記載していません)やウラルカリなど訳ありのスポンサーを抱えてしまうことが多く、チーム名が頻繁に変わる時期がありました。
というわけで今回は、2024年のF1に参戦するチーム、過去に参戦していたチームの2007年以降の名称の変遷を見ました。F1参戦には巨額の資金が必要なことがチーム名に表れていますね。
それではまた。