LINE Payカードと残高でのコード決済
まずは一旦Visa LINE Payクレジットカードを使い始める前の状態から振り返りたいと思います。私は普段使いの決済方法としてLINE Payカードを利用していました。こちらはクレジットカードではなくJCBブランドのプリペイドカードであり、LINE Pay残高から支払うものです。クレジットカードが使えるお店であれば基本的に使えるため、LINE Payアプリでのコード決済が使えないお店ではLINE Payカードで支払っていました。
Visa LINE Payクレジットカードとチャージ&ペイ
Visa LINE Payクレジットカードの発行とそれに伴うチャージ&ペイの開始で、この生活は大きく変わりました。【LINE Pay】LINEポイントクラブへの変更で私は得をするのかで書いたように、マイカラープログラムはLINEポイントクラブへとリニューアルされ、従来のLINE Payカードや残高によるコード決済ではLINEポイントの還元がされなくなりました。普段使いの新しいクレジットカードが欲しく、LINE Payヘビーユーザーであった私はVisa LINE Payクレジットカードに乗り換えないはずもなく、先行予約していたVisa LINE Payクレジットカードをいち早く受け取り、4月のうちから使い始めました。
また、LINE Payアプリのコード決済でも新たな決済方法が追加されました。残高による支払いではなく、登録したクレジットカードからその都度支払い額をチャージするチャージ&ペイです。LINEポイントクラブの最高ランクであるプラチナランクになるためには、このチャージ&ペイにVisa LINE Payクレジットカードを登録する必要があります。スマホ決済ユーザー獲得のためのバラマキ施策からクレジットカードと連携した決済アプリとしての囲い込み戦略に移り変わっていることも以前書いたような気がしますが、ライトユーザーを切り離しヘビーユーザーに優しいサービスに切り替えていくのでしょう。
ちなみに、マネーフォワードも有料会員である私は、Visa LINE Payクレジットカードが連携可能かどうか事前にマネーフォワードの運営に問い合わせていました。発行が三井住友カードであるため既に連携が可能だということで、安心してクレジットカードを切り替えることができました。
そしてマネーフォワードとの連携で問題が
こうしてLINE Payカード+残高でのコード決済から、Visa LINE Payクレジットカード+チャージ&ペイに普段の生活を切り替えたわけですが、懸念していたことがやはり起きました。マネーフォワードとの連携における反映の遅さです。
私はマネーフォワードで家計簿を付ける際、大カテゴリまでは手動で設定しています。食費、日用品、交際費、水道・光熱費などです。マネーフォワードはある程度賢いので、いつも利用する同じお店は同じカテゴリに自動で設定してくれますが、初めて行くお店やいつも食料品を買うスーパーで日用品を買ったときなどは、手動でカテゴリを設定する必要があります。このとき問題になるのが、クレジットカードの反映の遅さです。
クレジットカードは実際に決済を行ってから決済履歴に反映されるまで、数日から1週間程度かかることが多いです。これは仕組み上ある程度仕方のないことで、Visa LINE Payクレジットカードやマネーフォワードが悪いわけではありません。しかし、以前までの私の決済方法であったLINE Payカードは、決済をすると即座にLINEに通知が飛び、LINEウォレットの残高も減ります。マネーフォワードはLINE Payに関してはリアルタイムでの反映が可能であるため、決済したその場でその出金履歴をマネーフォワード上で確認し、カテゴリを設定することができたのです。それがVisa LINE Payクレジットカードに変わり、マネーフォワードへの反映まで数日待たされることになります。休日に買い物でいくつものお店に行った場合、その履歴が数日後の平日にバラバラに登録されていくのです。お店の名前が表示されればまだいいですが、表示されない場合もありその場合はカテゴリの設定のために必死に当日の動きを思い出す必要があります。お店に行った順番を思い出せたとしても、決済履歴が登録されるタイミングはバラバラなので意味ありません。金額なども見ながら記憶と対応させていく必要があるのです。
チャージ&ペイでの支払いはさらに厄介
そして、スマホのLINE Payアプリでチャージ&ペイを使った場合はさらに厄介なことになります。マネーフォワードには電子マネーとしてLINE Payを、クレジットカードとしてVisa LINE Payクレジットカードを別の口座として登録しています。チャージ&ペイはLINE Payでの支払い扱いとなるためLINEポイントを利用できたりLINEで即座に通知が来たりしますが、同時にクレジットカードに対して同額の請求が行われるため、マネーフォワード上では二重に記録されることになります。このあたりは以前に【LINE Pay】チャージ&ペイを使ってみたのでマネーフォワードでの挙動をまとめるで書きました。チャージ&ペイで支払うと、まずVisa LINE Payクレジットカードの口座に対して出金が記録され、同時にLINE Payの口座に対してLINE Pay残高からの出金が記録されます。そして数日後にVisa LINE Payクレジットカードの口座に対して通常のカード払いとして同額の出金が記録されるのです。
記事を書いた当時はLINE Payの口座側で先に記録されたものを計算対象外にすることで二重記録を回避していましたが、現在はマネーフォワードの振替機能を使っています。決済と同時に記録されるVisa LINE Payクレジットカード口座からの出金をLINE Pay口座への振替とし、LINE Pay残高からの出金記録にカテゴリを設定、数日後のVisa LINE Payクレジットカードの出金履歴も振替とするのです。正直このやり方はあまり腑に落ちていません。二重に記録されることの根本解決にはなっていないからです。
Visa LINE Payカードの口座も内訳を見ると「LINE Payカード」、「Visa LINEPay」、もう1つ「Visa LINEPay」という3つに分かれており、それぞれが何を指すのかもわかりません。そもそもLINE PayカードはVisa LINE Payクレジットカードとは何の関係もなくむしろLINE Pay口座のほうに記録されるものであるし、2つ同じ名前のものがある理由もわかりません。これに関してはLINEが悪いのかマネーフォワードが悪いのか三井住友カードが悪いのかわかりませんが、やはり気持ち悪いです。
そして3つの記録のうち2つを振替にすると別の問題も起きます。口座ごとに毎月の利用履歴を見ることができる画面がありますが、その月間の合計額がおかしくなるのです。チャージ&ペイで支払うと、LINE Pay口座にその利用額が記録されて合計額に反映されるのは正しい挙動です(残高は変わらないのでそのあたりは一致しませんが)。一方Visa LINE Payクレジットカードの口座では、直接カード払いをした履歴の額のみが合計され、振替として記録されているものは表示はされるものの合計額には加算されません。それにより今月の利用額の表示もおかしくなります。今月どのくらいカード払いしたかを一発で把握できる方法がマネーフォワード上では存在しないのです。
スマホのコード決済でも必ずクレジットカードを利用するので、LINE Payの口座の連携を解除してしまえばいいではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、LINE Payは友人との送金にも利用しており、まだ残高の変動は起こりえます。この記録もきちんとしたいため解除するわけにはいかないのです。
LINEへの即時通知の導入で挙動は変わるか
Visa LINE Payクレジットカードは今年の夏頃を目処にLINEへの即時通知の仕組みを導入する予定だと発表しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業活動にも影響が出ており、予定通り夏のうちに導入されるかは不透明ですが、この機能は単純に便利です。不正利用にも気づきやすくなります。しかし、マネーフォワードに連携しているのは三井住友カードとしてなので、この仕組みは二重記録問題の解決にはならないはずです。むしろその通知をLINE Payの利用と勘違いして三重登録になってしまわないか心配なくらいです。
今日は、Visa LINE Payクレジットカード、LINE Payのチャージ&ペイ、そして家計簿アプリマネーフォワードの連携について現状を改めてまとめました。クレジットカードと連携したスマホ決済は他に利用していないため、楽天ペイなどの他の決済アプリとマネーフォワードを連携したときの挙動については知りませんが、クレジットカードとスマホ決済中心の社会に家計簿アプリの対応も追いついてほしいなあと願っています。今はひたすら数日前にどこで何をいくらで買ったのか思い出す訓練をしておきましょう。
それではまた。