LINE Payは2025年4月末で終了
2024年6月、LINE Payは2025年4月末でサービス終了となることが発表されました。現時点で既に送金機能やアカウント開設受付は終了しており、今後同じくソフトバンクやLINEヤフーが手掛けるPayPayへ残高を移行する機能も提供予定です。LINE Pay残高へのチャージやLINE Payでの支払いも順次終了となります。
LINEクレカは有効期限まで使用可能
2020年4月に発行が開始されたVisa LINE Payクレジットカード(LINEクレカ)ですが、初年度3%還元から徐々に特典やサービスを縮小していき、現在は基本還元率1%のカードとなっています。LINE Payと紐づけての支払い方法(チャージ&ペイ)で高還元率だったこともあり、LINE Payを普段使いしている人にとって魅力的なカードでした。一般的なクレジットカードと比べてLINE関連以外での特典に大きな特徴は無く、LINE Payとの親和性が無くなると積極的に使う理由は薄いのかなと思います。
そんなLINEクレカですが、LINE Payのサービスが終了してもカードの有効期限までは問題なく使えることは既にアナウンスされています。そして今回、LINE Pay終了後のカードの特典や有効期限後の扱いについての発表がありました。
LINEクレカは順次三井住友カードNLへ切り替え
LINEクレカのサービスは発行元である三井住友カードへ引き継がれることになりました。LINEクレカの有効期限の2ヶ月前に、三井住友カードが発行する「三井住友カード(NL)」に自動的に切り替わり、新しいカードが自宅に送られてきます。
カード番号が変更となるため、オンライン決済(特に公共料金などの自動決済)に使っている場合は早めの変更が必要となります。
ポイントなどは5月に一律で切り替え
カード自体は有効期限まで使えますが、利用方法やポイント還元については2025年4月末をもって変更されます。まず、ポイント還元は5月1日以降の利用分についてはLINEクレカの利用であってもVポイントが付与されるようになります。また、カード利用時にLINEに通知が届くリアルタイム利用通知サービスは、三井住友カードで共通の通知サービスへ切り替わります。チャージ&ペイは既に発表があった通り4月23日でサービス終了となります。
なお、2025年5月1日以降にLINEクレカを使った場合のVポイント還元率は1%(100円につき1ポイント)ですが、カードが三井住友カードNLに切り替わったあとは0.5%(200円につき1ポイント)となります。カードのタッチ決済で5%(2025年1月以降は1.5%)、スマホのタッチ決済で7%の還元となるキャンペーンは行われていますが、基本還元率はダウンとなります。
LINEクレカ(P+)は無印と統一
2022年11月に発表されたVisa LINE Payクレジットカード(P+)は、カードレスタイプも選択可能でLINE Payと組み合わせると高還元率となるものでした。従来の無印LINEクレカで1%還元だったチャージ&ペイが5%還元となる代わりに、その他の方法での決済では0.5%還元、還元にも月ごとの上限があるなど、コード決済に特化しています。
こちらのLINEクレカ(P+)も、LINE Payの終了と合わせてサービス内容は変更され、5月1日以降は無印LINEクレカと同様に通常の利用でVポイントの1%還元となります。もっとも、私はカードレスタイプを申し込んだので店舗でLINEクレカ(P+)で支払うことは無いと思います。
なお、無印LINEクレカとLINEクレカ(P+)を両方持っている人は、有効期限の古いほう(基本的には無印)に合わせて三井住友カードNLに切り替えられるということです。また、既にVisaブランドの三井住友カードを持っている場合はカードの切り替えは行われず新しいカードは届きません。
最初期に発行した人は中途半端に
そして今回の発表には大きな落とし穴がありました。有効期限を迎えるLINEクレカの代わりに三井住友カードNLが送られてくるのは、カードの有効期限が2025年5月以降の場合だということです。私は2020年4月にLINEクレカが発表されて即座に申し込んだので、カードの有効期限が2025年3月になっています。当時は東京オリンピックのエンブレムが入った限定デザインでした。スタンダードなデザインのものは6月に申し込みが始まったため、こちらの有効期限が2025年5月となっているのだと思います。つまり、私のようにLINEクレカを待ちわびて最初期に発行した人ほど有効期限が2025年5月よりも早く来てしまい、次に送られてくるカードもLINEクレカになってしまうというわけです。
上で書いたように、2025年5月以降のLINEクレカはVポイントが1%還元されるカードとなります。つまり、LINEクレカなのにLINEポイントは貯まらず、三井住友カードよりもVポイントの還元率が高い不思議なカードとなります。もはやLINEクレカである必要はありませんが、新しいカードの有効期限は恐らく2030年4月となるのでしばらくは三井住友カードに切り替えることはできません。
自動切り替えを待つか他のカードか
というわけで、現在LINEクレカを使っていて三井住友カードを持っていない人は選択を迫られることになりました。三井住友カードNLへの自動切り替えを待つか、自動切り替えを拒否して支払いを別のクレジットカードに切り替えるかです。
Vポイントは元々三井住友系の還元ポイントでしたが、Tポイントと統合されたことで還元元やポイントの利用シーンが増えました。三井住友銀行の口座を持っていてVポイントを有効活用していきたいと考えているなら、そのまま三井住友カードNLに切り替えるのが良いかと思います。一方でLINEポイントをPayPayポイントに交換したり、LINE Payの代わりにPayPayを多用するようになった人はVポイントが貯まる利点が薄いため、PayPayカードなど他のクレジットカードを利用したほうがいいかもしれません。
問題は私のようにLINEクレカを最初期に発行した人です。2025年5月以降は三井住友カードNLと比べて2倍のVポイントが貯まるカードとなりますが、その他の三井住友系サービス(Oliveなど)との親和性は低く、単にVポイントが貯まるだけのカードになってしまいます。もし解約して他のクレジットカードに切り替える場合、3月が有効期限ということは1月から2月あたりで新しいカードが発行されてしまうことになり、考えるのに残された時間は少ないです。
どうしようか迷い中・・・
そもそも私は、LINE Payの終了時期とLINEクレカの更新タイミングが近いため、それに合わせて別のクレジットカードに切り替えようと思っていました。切り替え先の候補として考えていたのは順当に三井住友カードと、PayPayカードです。
私はメインの銀行口座が三井住友銀行であるものの、対応するクレジットカードがLINEクレカだったためにOliveアカウントは作っていませんでした。Oliveフレキシブルペイが便利なのかは置いておいて、三井住友銀行と三井住友カード発行のクレジットカードを使っていながらサービスの恩恵を受けることができていませんでした。そもそもVポイントを活用していないというのもOliveを使わない大きな理由でしたが、LINEクレカの実質的なサービス終了に合わせて純粋な三井住友カードを発行してVポイント経済圏に入るのもありかなと考えていたわけです。
一方、LINE Payが下火になり友人間や同僚間での送金にPayPayを使うことが当たり前になってくると、店舗での決済もPayPayを使うことが増えてきました。PayPayの難点はこのブログでも何度も触れてきましたが家計簿アプリのマネーフォワードとの連携ができないことであり、チャージ時の銀行口座側の引き落とし履歴以外ではPayPayのお金の流れをマネーフォワードに自動記録することができません。PayPayカードをLINE Payのチャージ&ペイのようにPayPayの支払い元に設定すれば、PayPayカード側をマネーフォワードに連携することでPayPay支払いのお金の流れを記録することができるようになります。LINEクレカで貯めたLINEポイントも基本的にPayPayポイントに交換しPayPayポイント運用に入れていることもあり、二重の利点があるPayPayカードも候補になると考えていました。
マネーフォワードが三井住友系とズブズブに
今後のキャッシュレス支払いの一元化を考えると、既に多用し始めているPayPayに揃えてPayPayカードにするのがいいのかなと考えてはいました。しかし昨日やっぱりなと感じるニュースがありました。マネーフォワードが使っていくとVポイントが貯まる新機能を発表したのです。
マネーフォワードは9月に個人向け事業を分離し、三井住友カードの出資を受けた新会社を設立しました。家計簿アプリは多くの銀行やクレジットカードと自動連携できることが売りであるため三井住友系以外の口座連携を排除するようなことはしないとしていましたが、Oliveへの囲い込みは覚悟してはいました。私はマネーフォワードのプレミアム会員でフル活用しているため、Olive利用者のみ恩恵を受けるようなサービスには大反対ですが、サービスの成長のためにはある程度仕方のないことだとも感じています。
今回の発表によると、アプリを起動したり連携口座を増やしたりすると、Vポイントに交換できるアプリ内ポイントが獲得できるということです。ここまでならまだアプリの利用回数や有料会員を増やすための施策として受け入れられはしますが、こんな記述もありました。
また、三井住友カードが提供する『Olive』のアカウントの申込みなどの条件達成や『三井住友カード』の発行等を行うことで、Vポイントが貰えるキャンペーン「スペシャルチャンス」※4もご用意しています。
結局は三井住友側にもメリットが無いとこのような施策は行われないわけで、Oliveの会員を増やしたいという思惑が透けて見えます。マネーフォワードにはフラットな立場でいてほしかったので正直がっかりです。
今後も『マネーフォワード ME』は、お客さま起点の「オープンなお金のプラットフォーム」を目指し、新たな提供価値の創出に取り組んでいきます。
「オープン」とはどういうことなのか教えてほしいですね。
というわけで、マネーフォワードを今後も利用し続けることを考えると、LINE Payの移行先でありながら直接の連携ができないPayPayと、コード決済はできないものの銀行からクレジットカード、ポイントまで一括で管理できる三井住友カードのどちらが自分に合っているのか、その判断がより難しくなってしまいました。Vポイントを貯めることだけを考えるのであれば何もせず送られてくる新しいLINEクレカを2030年まで使い続けるという手もあり、もう私には決められません。
LINE Payに感謝
余談ですが、私のキャッシュレス人生はLINE Payで始まりました。Suicaは使っていましたが、コード決済やカードでの支払いはLINE Pay、そしてプリペイドタイプのLINE Payカードが始まりでした。その後楽天カードなども作りはしたものの、普段の支払いはLINE Payを使っており、LINEクレカが発表されたときはついに来たかと興奮したのを覚えています。
LINE PayはPayPay含め後発のコード決済サービスに徐々に押され始め、周囲でもLINE Payで送金するよりもPayPayで送金するほうが主流になってきました。そんななかLINEとヤフーの経営統合という大ニュースが発表され、LINE Payの今後が不安になったのはこのブログで散々書いてきた通りです。
その後どんどんサービスは縮小され、結局はPayPayに統合という形となりました。LINE Payをずっと使ってきた身からするとかなり寂しいですが、PayPayのほうが手軽で利用できる店舗が多いのが魅力なのもPayPayを使うようになってから分かりました。LINEは(色々問題は起こしているとはいえ)これからも残るとは思いますが、決済プラットフォームとしてのLINEは終わっていくのだと思います。LINE Pay、そしてLINEクレカ、ありがとうございました。LINE Payが使えるうちはまだまだ使い倒していこうと思います。
というわけで今回は、LINEクレカの三井住友カードへの自動切り替えの対象者ではなかった私が、PayPayの普段使いやマネーフォワードのフル活用を踏まえてカードを変えるべきかどうなのか、LINE PayやLINEクレカの出口戦略を考えてみました。結局結論は出ていません。考えるのに残された時間はあと1ヶ月ほど・・・。本当にどうしよう。
それではまた。